Release 0シルフェニアRiverside Hole

HOME HELP 新着記事 ツリー表示 スレッド表示 トピック表示 検索 過去ログ

■314 / 2階層)  愛の手を【ミルキィ・マロングラッセ編】
□投稿者/ ルーン -(2006/07/18(Tue) 23:27:11)
     『愛の手を』は登場していない、もしくは余り出てきていないキャラを主役にしようという企画です。
     ですので、一編ごとに主役が違います。(タブン
     今回の主役は、獣人娘こと、獣ッ娘『ミルキィ・マロングラッセ』です
     ああ、けどなんだね。獣人娘(ジュウジンムスメ)ではなく、獣ッ娘(ケモノッコ)というと心に来るものがあるな〜(笑い
     ではでは、作者のアホな性質は置いといて、本編をどうぞ〜。


     サラサラサラ……
     風化した建造物の一部が、時の流れによって崩れていく。
     長年誰の手も入っていないのか、その建物は何時崩れ去ってもおかしくないほどボロボロだった。
     辺りは鬱葱と生い茂る木々に阻まれ、人の気配もない。
     聞こえるのは建物が崩れ去る音と、鳥や獣達の声のみ。
     その建物、それは外見の風化具合や施された装飾から、現代の物ではないのが窺い知れた。
     考古学者やある程度の古代の知識がある者が見れば、一目でわかるだろう。
     その建物が建てられたのは遥か昔。古の時代。世にいう古代魔法文明期の頃の建造物だということが。
     当時の魔法と科学は現代よりも遥かに発展しており、現在の技術では再現はおろか、解析すらできない品物も数多く存在する。
     そんな時代に建てられたのが、この遺跡である。
     通常、古代魔法文明期の遺跡などは、国家や各機関が修復などをして、保存に努めている。
     例外は重要度が低いものや、調査などが終了しているものである。
     中には遺跡荒らし、所謂トレジャーハンターと呼ばれる者達が、徹底的に漁った跡の遺跡も放置される場合が多い。
     考古学者などには忌み嫌われるトレジャーハンターだが、国家や研究員にとっては彼らが持ち込むお宝によって、各種技術の向上にも繋がる場合があるので、黙認している国家もあるどころか、トレジャーハンターと契約して遺跡の発掘などをさせる国家なども存在するのが現状だ。
     どうやらこの遺跡も、そういった理由で忘れ去られて久しい遺跡のようである。
     都市から比較的遠い位置ともあり、この遺跡に足を運ぶ者は此処数十年誰もいないのが現状だったのだが、数十年の月日を経て、そんな遺跡に近づく変わり者がいた。



     「う〜ん、地図だと目的の場所はそろそろのはずだよねぇ」
     まだ幼さの残る声が静かな森に響いた。
     フサフサした茶色の毛に覆われた耳が、ピョコピョコと可愛らしく動いた。
     耳の毛と同じ茶色の髪の毛が首筋あたりで縛ってあり、その髪の毛が膝あたりまで伸びていて、まるで尻尾のように少女が動くたびに左右に揺れる。
     少女の格好は赤を基調とした上着に、中にシャツを着ており、ズボンは黒のハーフパンツだった。
     背には薄汚れた背嚢を背負っており、少女が旅なれた者だということが窺える。
     少女は少し赤味のかかった茶色のクリクリとした大きな瞳で、キョロキョロとあたりと地図を見比べる。
     少女、ミルキィ・マロングラッセは、獣人族である。
     獣人の住む村は比較的閉鎖的な村が多く、また獣人が村の外へと出るのも稀な事である。
     そんな獣人の一人である、ミルキィが村の外へといるのには勿論訳がある。
     ミルキィは獣人にしては珍しく好奇心旺盛で、たまに村へと来る行商人の話を聞いては、外の世界へと思いを飛ばしていた。
     そんなミルキィが、村の外へと飛び出すのにさほど時間はかからなかった。
     ミルキィの好奇心と知識欲への欲求は留まることを知らず、遂にミルキィは獣人ながらトレジャーハンターとなった。
     ミルキィのトレジャーハンターとしての腕が確かな事もあり、また獣人がトレジャーハンターだという珍しさも手伝ってか、ミルキィの名はトレジャーハンターの中でも、そこそこ知られるぐらいにはなっていた。
     「うんっと、こっちかなぁ〜。それともあっちかなぁ〜。どっちかなぁ〜」
     声は悩んでいる風には聞こえず、またミルキィの足も一定の速度で動いている。
     勘、というか、森の中の風や音、不自然な雰囲気を森の中で生まれ育ったミルキィは敏感に感じ取り、目的地へと向かっているのだ。
     そして探していたモノが突如ミルキィの目へと飛び込んできた。
     「あ、アレかなぁ〜。……うん! 地図の位置とも合ってるし、この辺には他に遺跡はないはずだから、アレだねぇ」
     少し間延びした声を上げ、ミルキィは今にも崩れそうな遺跡の入り口へと、足早に駆けて行った。
     ミルキィはトレジャーハンター。
     そんなミルキィが遺跡に来るのは、当然トレジャーハントの為なのだが、この遺跡が数十年前に既に他のトレジャーハンター達などによって、発掘されつくした状況だという事をミルキィは知らなかった。
     いや、正確には此処の遺跡の情報を教えた情報屋も、既にめぼしい宝は発掘されつくしていたのを知っていたので、ミルキィへ情報はただで教えたし、その事実も教えようとしたのだが、ミルキィが情報屋の話を最後まで聞かずに飛び出したのだ。
     ようするに、此処へ無駄足と言ってもいい足を運んだのは、人の話を最後まできちんと聞かなかったミルキィ自身の責任なのだ。



     遺跡の内部は、外から見たよりも更に崩壊が進んでいた。
     壁は所々崩れ穴が開き、天上や床も其処かしこで抜け落ちている酷い状態だった。
     いつ遺跡自体が崩れ落ち、崩壊してもおかしくない状況の中、ミルキィは足を進める。
     遺跡の最上階は、見た限り祭壇のようだった。
     中央に何か祭ってあったのであろうか、その部分だけ床が一段高くなっていた。
     ミルキィは祭壇の上に登ると、何かお宝がないかと辺りに鋭い視線を走らせる。
     だが、何も発見できないと深いため息を吐き、続いて眉間に皺を寄せてミルキィは叫ぶ。
     「むぅ〜。何にも無いじゃないかぁー! あの情報屋のおじさん、ボクに嘘吐いたのかぁ!? むむむ、確かに情報料はただだったけどさぁ〜、酷いよっ! あんまりだっ! 何が凄いお宝が眠っていただっ!! ……って、あれ? 眠っていた? 何で過去形なのぉ〜!? ってまさか!? 此処、もう既に発掘が終わってる遺跡なのかぁ〜!? うわっ、酷いよおじさん。そんな大事なことを教えてくれないなんてインチキだ!!」
     クルクルと表情を変え、頬を可愛らしくプクーっと膨らませながら、手足をばたつかせる。
     まだ幼さを残す容姿で手足をばたつかせるさまは、子供が駄々を捏ねているようでもあった。
     まあミルキィの場合、そのさまも微笑ましいのだが。
     暫くそうしていて気が治まったのか、ミルキィはペタリとその場に座り込んでグルグルと考え事を始めた。
     (む〜、此処での収穫は無しかぁ〜。うぅ、今回は完璧に赤字だぁ〜)
     食料や最低限の旅をする為の装備品等、収穫の無いトレジャーハントは、即赤字へと繋がる。
     稼げる時はとてつもない金額を稼げるが、空振りだと赤字だけが嵩む。
     それがトレジャーハントの難しいところだった。
     (ん〜、これからどうしようかなぁ〜。この地方に別の遺跡なんて在ったかなぁ〜? むぅ、遺跡の情報を買うにもお金かかるしなぁ〜。食料とかもだけど……。そう言えば、食料も少し心許なくなってきたし……一回街に帰った方がいいかなぁ)
     このまま低い可能性に賭けて遺跡を発掘するか、それとも街へ帰って別の遺跡の情報を買うか。
     ミルキィは少し悩んだ末に、
     「……うん。此処ではもう目ぼしいお宝なんて無さそうだし、街へ帰ろうっと!」
     ミルキィは両足に力を込めると、手を使わずに立ち上がろうとする。
     その時だ―――
     本来なら込めた力に比例するように、床から返ってくる反動も強くなるのだが、今回は違った。
     何時もの地を蹴る反動ではない、虚空を蹴るような感じ―――
     元々崩壊が近かった遺跡の耐久力に、ミルキィが暴れたのも一役買ったのか。
     止めは先ほどの立ち上がろうとした時なのだろうが―――
     まあ何はともあれ、ミルキィの足は遺跡の床を踏み抜いていた。
     「……へ? あ、あぁ、嫌な感じだなぁ〜。この後どうなるか、容易に想像が付くなぁ〜」
     暢気に言うミルキィの声に合わさるように、ピシピシっと踏み抜いた床の亀裂が広がっていき、やがて―――
     ズボッ……
     「ああ、やっぱりねぇ〜。全く、何で今床が抜けるかなぁ〜? どうせ抜けるなら、私が来る前か去った後に抜けといてよぉ〜」
     ぽっかりと闇が口をあける穴へと落ちながら、余裕があるのかそれともアレなのか、
     ミルキィは自分本位な考えを口にしながら落ちていく。



     「……ん? 明るい? 何で地下なのに明るいのかなぁ〜?」
     ミルキィは迫ってくる光に首を傾げたが、まぁいっかっと納得し、着地する為に身構える。
     クルクルと猫のように体を回転させ、足から着地する為に体制を整えるミルキィは、
     「……よいっしょっと」
     少しオジン臭いかなぁっと思いつつ、足から着地し、体全体を使って着地の衝撃を逃す。
     獣人ならではの身の軽さと、体のバネで着地の衝撃を最小限に留めた。
     「ん〜、此処から登るのは無理かなぁ」
     上を見上げてみれば、遥か上方に薄っすらと明かりが見て取れた。
     あそこから自分は落ちたのだろうと確認するも、戻るすべはなかった。
     「はぁ〜、別の道探すかぁ〜」
     どうせ此処も発掘されているだろうからっと、ミルキィはさっさと此処を出るために階段を探すことにした。
     体を一回転させて周囲を確認してみれば、どうやら落っこちてきた場所は行き止まりらしく、他に選択肢がないので道なりに進むことにした。
     念の為に魔物などの襲撃にそなえ、慎重に地下道を歩いて行く。
     神経を集中させていたためか、ミルキィの耳が何か物同士がぶつかり合う音を捉えた。
     ガチャガチャガチャ、カタカタカタ……
     音は一本道の奥の方から、どんどんミルキィの方へと近づいてくる。
     まるで金属の武具がぶつかり合うような音と、何か乾いた音。
     音の数や地下道に反響する音から推測される数は、精々が一人分。
     「この音、まさか人って事はないとするとぉ……」
     ある可能性に思い至り、途端にミルキィの表情が険しくなる。
     これでもミルキィは、トレジャーハンターとして名も売れていることもあり、戦闘力もかなりのものだ。
     そのミルキィがたった一人の何かに表情を険しくすることから、相手の正体に見当がついているのであろう。
     普段のミルキィなら身を隠すなりして隠れてやり過ごしたい相手だが、生憎と一本道のために隠れられる場所などない。
     ミルキィは大きく息を吸い込みゆっくりと吐き出すと、腰に提げていた『虎桜』を左手で抜き放つ。
     『虎桜』は『刀』と呼ばれる蓬莱が原産国の刀剣だ。
     刃はそれほど長くなく、『太刀』と『短刀』の丁度中間あたりの長さで、『小太刀』と呼ばれる『刀』に属している。
     その『虎桜』を油断なく構え、普段よりも幾分か眼光を鋭くし、近づいてくる何かに警戒する。
     そしてソレを見た瞬間に、ミルキィは自分の見当があたっていた事を確認した。
     ミルキィの視界に入ったソレは、動く人骨だった。
     世間一般的な名称はスケルトンという、結構ポヒュラーな魔物の一種である。
     ただし今ミルキィが対峙しているのは、スケルトンの中でも高位に位置するスケルトンウォーリアだった。
     普通スケルトンは人骨そのままなのだが、スケルトンウォーリアは武具を装備しており、なにより生前の戦闘技術を有している点が厄介な点である。
     スケルトンを倒すのは幾つか手段がある。
     まず一番簡単で効率が良いのが、祝福を受けた武器か神秘を宿した武器による攻撃か、聖なる魔法か浄化の魔法による攻撃。
     次が魔力を宿した武器か、魔法による攻撃。
     最後に、完膚なきまでに粉々に破壊すること。
     以上の三つが、スケルトンを倒せるもっとも知られている方法だ。
     そもそもミルキィがスケルトンを苦手とするのは、その三つの方法がミルキィはできないからだ。
     ミルキィが所持している武器には、祝福も神秘もないし、そもそも魔法は使えない。
     その上、スケルトンを粉々に出来るほどの腕力もない。
     これらの事情から、ミルキィにとってスケルトンは、天敵にも等しい敵だった。
     だが今回ばかりは戦闘を避けることはできないので、ミルキィも戦う覚悟を決めた。
     ミルキィは『虎桜』の刃を返し峰をスケルトンウォーリアへと向けると、ジリジリと間合いを詰める。
     峰を向けるのは、刃だと相手の武器を受けた時に、刃こぼれをする可能性があるためだ。
     一方スケルトンウォーリアもミルキィを敵と認識したのか、手にした剣を両手で正眼に構えた。
     滑るような足捌きでミルキィの間合いへと入り、鋭い突き技を放つ。
     いきなり突き技がくるのは予想外だったのか、「わっ?!」っと驚きの声を上げ、体を横へと反らす。
     だが、予想外の攻撃からの回避行動だった為に、少し、けれども相手にとっては恰好の隙を生んでしまう。
     スケルトンウォーリアは長剣を短く握り、態勢を戻そうとしているミルキィの胴を薙ぐように長剣を一閃する。
     態勢を戻すのは間に合わないと見て、ミルキィはそのまま背後に倒れこむ。
     今まで自分の胸が在った辺りを、銀光が走り抜けるを見たミルキィは冷や汗を流す。
     ドンっと背中が石畳と接触する衝撃を感じた瞬間には、スケルトンウォーリアから倒れた勢いを殺さないようにゴロゴロと転がり素早く離れる。
     そしてそのミルキィの後を追うように、ガッガッっと長剣が石畳と激しくぶつかり合う音が回廊に響き渡る。
     ミルキィは転がりながら拾っていた石を、礫として利用する。
     「ていっ!」
     ビュッ!
     礫が風を切る音がしたかと思うと、スケルトンウォーリアは避けずに長剣で礫を弾くき飛ばす。
     本来なら何の変哲もない礫などスケルトンウォーリアは効きもしないのだが、生前の技能が機械的に弾いてしまったのだ。
     あるいは礫を無視してミルキィへの攻撃の手を緩めなければ、この時点で勝負はついていたかもしてない。
     だがその稼いだ僅かな時間で、ミルキィは素早く立ち上がる。
     僅かに乱れた呼吸を整え、改めて敵を睨み据える。
     攻めあぐねているのか、対峙するスケルトンウォーリアも長剣を短く持ったままジッとしている。
     それを見てミルキィはふと、スケルトンウォーリアが長剣を短く持っている事に今更ながらに気が付く。
     そしてそれと同時に、スケルトンウォーリアが剣を短く持っている訳にも思い至る。
     このような限られたスペースしかない空間では、スケルトンウォーリアが持つ長剣の刃が壁等にぶつかる可能性があるために、柄を短く持ち、且つ、両手で持つことで対処しているのだろう。
     乾いた唇を舌で湿らせ、ミルキィは相手を倒す方法を考える。
     (……無理! あんなの倒せっこないよぉ! うぅ、せめて聖水でも有れば、一時的にせよ動きを止めてその隙に逃げられるのになぁ〜)」
     早々に諦めモードに突入するミルキィだったが、その後直ぐに自分がとんでもない思い違いをしている事に気がついた。
     (……ん? 倒す? ……って、バカかボクは!? 何でこんな事にも気が付かなかったんだぁ!?」
     何も無理にスケルトンウォーリアを倒す必要がない事に気がつき、思わず声に出して自分を罵った。
     (そう、何も無理して倒す必要はないんだ。要するに、行動不能にすれば良いんだからねぇ)
     にんまりと自然に笑みが浮かぶ。
     ミルキィは懐から一丁の銃を右手で取り出した。
     銃の名は『ストレイヤーヴォイト インフィニティ』
     オートマチック式の銃で特殊改造が施してあり、氣を操れる者なら刃等も作れる機能を持っている銃である。
     もっとも氣を自分の意思で操れないミルキィにとっては、ある意味宝の持ち腐れ的な銃だったりする。
     まあそれでも時々、何故か刃らしき物が出たりはするのは、ミルキィが無意識にでも氣を操っているのかもしれない。
     そんな少し他の銃とは違うけれども、他は至って普通の銃のセーフティを解除し、コックを上げる。
     「いっくよぉ〜!」
     息を吐き出す動作に合わせ、いきなりトップギアのスピードでスケルトンウォーリアへと間合いを詰める。
     加速をしないでのトップスピード、そして減速のないトップスピードからの急停止。
     これらの動作は、強靭な足腰と筋力とバネを持っている獣人ならではの動作である。
     一瞬にしてスケルトンウォーリアの間合いへと入ったミルキィは、刃を返した『虎桜』で袈裟懸けに切りつける。
     スケルトンウォーリアは長剣で斬撃を受け止めるが、これがミルキィの狙いだった。
     「貰い!」
     右足を半歩前へだし、その分スケルトンウォーリアへと近づいたミルキィは、『ストレイヤーヴォイト インフィニティ』の銃口をスケルトンウォーリアの腰骨の部分へと突きつける。
     ―――パンッ!
     一発の銃声が回廊に反響する。
     ゼロ距離から発射された弾丸の威力に、スケルトンウォーリアが数歩後ずさり、態勢が崩れる。
     しかしゼロ距離からの発砲にも関わらず、弾自体は半ばまで食い込んだ状態で止まっていた。
     通常の骨なら粉々に砕け散っているのだろうが、スケルトンの骨は魔術や怨念などによって、鉄のような硬さにまで飛躍的に硬度を増している。
     だがミルキィにとっては、それすらも計算のうちだった。
     ミルキィは態勢を崩しているスケルトンウォーリアの懐へと潜り込と、体を捻る。
     捻り、捻り、その極限まで捻った体は、スケルトンウォーリアに背中を見せるほどである。
     既に『ストレイヤーヴォイト インフィニティ』は懐のホルスターへとしまってあり、再び刃を返した『虎桜』を両手で握っている。
     ミシミシっと、極限まで捻った体が悲鳴をあげるが、ミルキィはジッと力を溜める。
     「―――……っ! やぁあああああっ!!」
     溜めに溜めた力を、裂帛の声と共に解放する。
     狙いはただ一点。
     次の瞬間、金属と金属がぶつかり合う音が回廊に響き渡った。
     ミルキィは『虎桜』を振り抜いた姿勢のままピクリとも動かず、一方のスケルトンウォーリアも不気味に沈黙を保っている。
     長い、長い静寂のあと、変化は起こった。
     静寂が支配する回廊に、何か微かな音がした。
     ピシリ、ピシリと徐々にだが、その音はハッキリと断続的に鳴り響く。
     そして―――グラリとスケルトンウォーリアの上体が揺れたかと思うと、上半身と下半身が二つに別れた。
     上半身は派手な音をたてて、石畳に散らばり、下半身の方はふらふらと二、三歩ふら付くと、支えを失ったかのように崩れ落ちる。
     「……ふぅ〜」
     息を吐き、体の力を抜くミルキィ。
     その顔には極度の集中力と体への負担の為か、薄っすらと汗が滲んでいた。
     「それにしても、作戦が成功して良かったぁ〜」
     チンッっと『虎桜』を鞘へ戻しながら、ミルキィは安堵の声を出す。
     では、ミルキィの作戦とは何か?
     答えは単純で、面の攻撃が駄目なら点の攻撃にすればいいだけの話だ。
     まずは『虎桜』での斬撃を囮に、スケルトンウォーリアの長剣を封じる。
     そして上半身と下半身を繋げる腰骨へと銃で攻撃する。
     この時点で腰骨が砕ければ御の字。もし砕けなくとも、弾さえめり込めば良かったのだ。
     もし弾がめり込まなければ、何度でもめり込むまでやり直す。
     そして弾がめり込んでいれば、その弾を『虎桜』の峰で力一杯ぶっ叩く。
     この場合、弾が楔となって線から面への攻撃となる。
     一点に集中された力は、破壊力が圧倒的に増す。
     そしてその結果、ミルキィの攻撃力がスケルトンウォーリアの防御力を上回り、腰骨を粉砕することに成功したのだった。
     「……けど、や〜っぱり倒すのは不可能なんだよねぇ〜」
     視線をスケルトンウォーリアへと向けてみれば、徐々にだが散らばった骨がまた元に戻ろうとしていた。
     この分では、砕いた腰骨が再生するのも時間の問題だろう。
     そして復活したスケルトンウォーリアが追って来るのを想像して、ミルキィはゲンナリとした。
     と、突然にんまりと笑ったミルキィは、倒れているスケルトンウォーリアへと近づく。
     ミルキィは無言でスケルトンウォーリアの頭蓋骨を両手で掴むと、
     「やぁあっ!」
     気合一閃、スケルトンウォーリアの頭蓋骨を捻り取った。
     「……ふと思ったんだけどさ、君、頭蓋骨と体の骨が別れたらどうなるんだろうねぇ〜?」
     にんまりと笑って言うミルキィに、心なしかスケルトンウォーリアの体が慌ててるようにも見える。
     頭蓋骨の方も表情が変わって見えるのは、きっと気のせいだろう。
     ミルキィは落ちていたスケルトンウォーリアの長剣を空いてる手で拾うと、ブンブンと素振りをしてみせる。
     そして今までで最高の笑顔を浮かべると一言、
     「試してみるぅ〜?」
     一瞬スケルトンウォーリアの動きがピシリと止まり、まるで止めてくれと言わんばかりに体をガチャカチャと鳴らし、顎をカタカタと鳴らす。
     体は手足をばたつかせ、まるで駄々っ子みたいだった。
     頭蓋骨は頭蓋骨で、骨100%の頭蓋骨に何故か哀願の表情が見て取れたから不思議だ。
     「……それじゃあいってみようかぁ〜」
     その仕草を繁々と興味深そうに観察していたミルキィは、無情にもスケルトンウォーリアの訴えを無視した。
     ますます激しく拒絶の意を表すスケルトンウォーリアを無視して、頭蓋骨を天上付近まで放り投げる。
     ミルキィは長剣を両手で握り、体を捻る。
     落下してくる頭蓋骨にタイミングを合わせて、長剣をフルスイング。
     長剣の横っ腹でぶっ叩かれた頭蓋骨は、地面と平行にすっ飛んで行き、やがてミルキィの視界から消えた。
     「……おぉ〜、飛んだ飛んだぁ〜」
     長剣を石畳の隙間に突き刺し、右肘を鍔に乗せならがらミルキィは満足気な声を出す。
     パンパンっと両手の埃を叩いて落とすと、ミルキィは奥へと足を向けた。
     ふと、静かになったスケルトンウォーリアが気になって視線を向けてみれば、スケルトンウォーリアはグッタリと力なく石畳にへたばりながら、イジイジと右手の人差し指で石畳にのの字を書いていた。
     ずいぶんとお茶目なスケルトンウォーリアもいるものだと困惑しつつ、ミルキィは今度こそ振り返らずに奥へと歩みを進めた。
     ちゃっかりと、「売れるかなぁ〜」とスケルトンウォーリアの長剣を手にとって。



     奥へ、奥へと続く一本道を進むこと数十分、遂に変化が訪れた。
     扉だ。一枚金属の扉がミルキィの行く手を阻むように閉まっている。
     しかもその扉にはとってもなく、それどころか僅かな窪すらない。
     目の前に立ち塞がる扉は、最早扉というよりも、巨大で分厚い鉄板が立ち塞がっているという表現の方が的を得ているかもしれない。
     とすれば、引くという開け方ではないのだろうと判断し、ミルキィは力一杯扉を蹴りつけた。
     ガンッという鈍い音とがするが、金属製の扉はびくともしなかった。
     それどころか、
     「―――っ!? いったぁ〜いぃ!!」
     悲鳴をあげ、逆に蹴りつけた足を抱える始末だった。
     暫く足を抱えて蹲っていたが、やがて痛みも治まったのかすくっと立ち上がる。
     「……押すでも引くでも無いってことは、何処かに扉を開ける仕掛けが在るはずだよねぇ〜」
     気分を一新して、扉を開ける仕掛けを探し始める。
     まずミルキィは目の前の扉を手でピタピタと触り、扉自体に仕掛けが無いかを探す。
     上の方は手が届かないので、この際は無視する。暫くて何も見つからなかったのか、首を傾げると次は壁をペタペタを触る。
     壁も扉付近を中心に手の届く範囲を調べたが、特に何も見つけられなかった。
     ならばと、ミルキィは地面に這い蹲り、眼を皿のようにして探す。
     すると一箇所だけ不自然にでっぱりが在る事に気がついた。
     そのでっぱりにそっと手を伸ばし掴むと、ミルキィはでっぱりを押そうと力を込める  が、ふと手を止め逆に上へと引っ張った。
     ―――カチリ
     すると何処かでスイッチが入ったような音がし、扉を見上げてみれば、何やら窪みらしきものが出来ているのが目についた。
     ミルキィは立ち上がると、パンパンと服についた汚れと埃を落とす。
     立ち上がったミルキィの視界のやや上、ミルキィが見上げて見える位置にやはり窪みが出来ていた。
     金属の扉の中央に出来た窪みは、何かを嵌め込む様な形をしていた。
     まるで―――
     「……剣、かなぁ〜? でも剣なんて―――!?」
     自分で口にした言葉に引っ掛かりを覚え、途中で戦利品として拾って来た長剣へと自然に視線が移った。
     「……丁度良い、かなぁ?」
     目を扉の窪みと長剣へと行ったり来たりさせ、ミルキィは窪みと長剣の形を見比べる。
     やがて確信が持てたのか、ミルキィは背伸びをしながら手をいっぱいに伸ばし、長剣を窪みへと嵌め込んだ。
     ―――カッ!!
     ゴゴ、ゴゴゴゴゴゴ―――
     長剣が窪みへと収まった瞬間仕掛けが動き出し、強烈な光を発する。
     それと共に金属の扉はゆっくりと天井へと収まっていく。
     「わっ!?」
     当然の強烈な光にミルキィはとっさに目を瞑るが、間に合わずに目を閃光に焼かれてしう。
     下手に動くと危ないので、視力が戻るまでその場でジッと佇む。
     ある程度視力が戻ったのか、目をゴシゴシと手で擦ると、閉じていた目蓋をゆっくりと開いた。
     徐々に視力が戻るにつれ、白くぼんやりとしか映らなかった視界に色と形が戻ってくる。
     そして、完全に視力が戻ったミルキィが目にしたのは、鈍く金色に輝き、珠玉を携えた一本の杖だった。
     ミルキィはまるで吸い寄せられるように杖へと近づくと、何の躊躇いも見せずに杖を手に取ってしまう。
     ジッと魅入られるように杖を見つめるミルキィの口から、「はふぅ〜」と溜息が漏る。
     「……綺麗だなぁ〜」
     ちなみにこの杖、『フェアリー・スタッフ』と呼ばれる物で、今までにたったの三本しか発見されていない超レアな杖である。
     現在の技術でも杖の複製は理論的には可能とされているが、ある理由により、この杖の複製は不可能とされている。
     理由はいたって簡単で、材料の一つである珠玉に封じられている、『幸運を呼ぶとされる蝶』が現代においては既に絶滅しているからである。
     と、そんな理由と価値は露とも知らないミルキィだが、一目見ただけで杖を気に入ってしまい、最早この杖を売るという考えすら思い浮かばなくなっていた。
     だが、当然の事ながら秘宝には罠がつきものであり、生憎と今回もその例に漏れることは無かった。
     微かな地鳴りの音と共に、パラパラと天井から粉塵が降ってくる。
     杖に意識の大半を奪われていたミルキィは気付くのが遅れるが、ふと、とんでもない事実に思い至り絶叫を上げた。
     「ちょ、ちょっと待って!? こ、此処、もしかしなくても崩れるの?! で、でも、確かボクが落ちた所から此処まで一本道だったし、道もこの部屋で見た所行き止まりだよね?! って事は、このまま遺跡が崩れ落ちたら、ぼ、ボク、生き埋めぇええええええっ!? あ、あわわわっ、な、何とかしないとぉ〜!!」
     慌てふためき、ミルキィは必死になって隠し扉やスイッチが無いか探す。
     そうこうしている間にも揺れは大きくなっていき、遂には天井の岩の一部が崩れ落ちてきた。
     ドスッ、ドスッっと岩が落ちるたびに、岩と岩がぶつかり合う音が鳴り響き、埃が舞い上がる。
     ミルキィの脳裏に、ふと岩に押し潰される自分の姿が浮かんだ。
     慌てて頭を振り、その嫌な映像を振り払う。
     その時、手にしていた杖が微かに光を放ったが、それどころではないミルキィは気付かなかった。
     慌てていた所為で足が縺れたのか、何も無いところで転倒してしまう。
     ふと嫌な予感がして上を見てみれば、崩れ落ちた岩が自分の真上から降ってくるのが見て取れた。
     避けるのも間に合わないと感じた瞬間、ミルキィの脳裏に、此れまでの数々の思い出が浮かんでは消えていった。
     「……ああ、此れが世に言う走馬灯かぁ〜」と、心の何処かで冷静な部分が分析するも、迫り来る岩に覚悟を決め、ギュッっと目蓋を閉じた。
     ミルキィが諦めて目蓋を閉じても、先ほど杖に宿った光が徐々に強さを増し、それとまるで呼応するかのように、床に何かの模様が浮かび上がり、光を放つ。
     一瞬、閃光が部屋を支配し、次の瞬間には完全に崩れ落ちた天井によって、部屋が埋め尽くされた。
     後に残ったのは、もうもうとたちこめる粉塵と、完全に倒壊した遺跡だけだった。



     そいつは空腹だった。
     そいつは自分の巨躯を維持するだけの餌を必要としていた。
     野山を巡るも、此処数日の得物は小物ばかりで、とても腹を満たしてはくれなかった。
     そいつは餌を求めて歩き回る。
     狙う獲物は腹を満たしてくれる大物。
     木々を掻き分け、一心に獲物を探す。
     獲物を求める口から、涎がツゥっと流れるが、そいつは気にも留めない。
     そいつには恥じも外聞もなく、ただ本能に従い、腹を満たす獲物を探すことだけが重要だからだ。
     ふと、そいつの鼻が何かの臭いを嗅ぎ取った。
     クンクンっと鼻を鳴らし、臭いを確かめる。
     鼻につく臭いは、獲物の臭い。
     そいつは嬉しそうに一声鳴くと、臭いの元へと走った。
     四肢で地面を蹴りつけ、立ち塞がる木々を、その巨躯からは信じられないほどの敏捷性で交わす。
     生い茂る藪は、避けもせずにそのままのスピードを維持して、強引に掻き分ける。
     その巨躯に見合うだけの筋肉と体を覆う毛皮で、藪程度ではかすり傷一つつけられないのを、そいつは理解していいるからだ。
     やがて徐々に獲物の臭いが強くなるに連れて、これから訪れる狩りへの興奮を増していった。
     やがて森の中、ぽっかりと開いた広場に出たそいつは、遂に獲物の姿を確認した。
     獲物を確認したそいつは、天へと向かって吼えた。



     覚悟を決め、目を瞑っていたが、訪れるはずの衝撃がいつまで経っても訪れないことを不信に思い、恐る恐る目を開ける。
     「―――はへ?」
     状況が飲み込めず、思わず間の抜けた声をだす。
     自分が置かれている状況が理解できず、一瞬夢かと思い頬を抓ってみる。
     「いつっ!!」
     痛みがあることから、どうやら夢ではないと判断する。
    では先ほどの遺跡のことが夢だったのかと思考が巡るが、それも手にしている杖が否定する。
     訳が分からなくなりパニックに陥りそうになるが、二度、三度と深呼吸をすることで幾分か落ち着く。
     冷静になったところで、改めて現状を確認するために辺りを見渡す。
     そして解った事といえば、どうやら森の中にある開けた場所という事と、朽ちかけた遺跡らしい場所に居るということだった。
     何故遺跡らしいという曖昧な表現かといえば、遺跡といってもミルキィを中心に、柱が数本立っているのと、石畳が敷かれているだけだからだ。
     屋根も壁もなく、その痕跡すらないこの場所を、果たして遺跡と呼んで良いのか迷ったのである。
     ミルキィは何故自分がこのような場所に居るのかと首を傾げたが、ふと思い至ることがあった。
     以前何処かで耳にしただけだが、古代魔法文明期の遺跡などには、時々転移機能を持つ部屋や罠が在るという話だった。
     もっともその機能も長い年月を経て、その大部分が機能停止をしているという話だったのだが、幸運にも岩に押し潰される前に、何故かその機能が働いたのだろうとミルキィは考えた。
     ……ぐぅ〜
     助かったことで安心したのか、お腹の虫が自己主張をした。
     ミルキィは僅かに頬を赤らめ、近くに誰もいないのに、思わずキョロキョロと辺りを窺ってしまった。
     ミルキィをよく知る人物からは、自由奔放、天衣無縫とか、はては唯我独尊、馬耳東風などなど、好き勝手に言われて入るが、ミルキィも年頃の娘な訳で、羞恥心なども持ち合わせているのだ、一応は。
     頬にまだ幾分か赤みを残したまま、ミルキィは背嚢の中に手を突っ込むと、いそいそと目当てのものを手探りで探る。
     「……ん」
     やがて手にしたのは、保存食だった。
     魔術師ならば、魔術をもって幾分か食料の保存はできる。
     またそうでない者は、魔科学の恩恵で新鮮な食料を確保できる。
     だが魔科学のソレは、家庭やキャラバンなどなら兎も角、個人が持って歩くには少々荷がかさ張るのが欠点だった。
     その為少人数で旅をする殆どの者が、未だに保存食の類を重宝しているのには、こういった背景があったのだ。
     水分が失われ、ぱさついた保存食を水で流し込む。
     「うぅ〜。こんなぱさついたお肉じゃなく、瑞々しいお肉が食べたいよぉ〜」
     此処最近保存食ばかりだったのが堪えたのか、ポロリと本音を漏らした。
    つい最近寄った街、つまりは此処の遺跡の情報を仕入れた街だが、そこでも食事を後回しにして、必要最低限な物資を補給をした後で例の情報を仕入れたので、保存食じゃない食事は食べていないのだ。
     こんなことなら食事を最初にとっておくんだったと後悔し、さめざめと涙を流す。
     とその時、
     「ガァアアアアアアアッ!!」
     天を突かんばかりの咆哮が辺りに鳴り響いた。
     ミルキィにとっては聞きなれた咆哮。
     その咆哮の発信源へと素早く視線を走らせる。
     するとそこには、ミルキィの思い描いたとおりの存在がいた。
     真っ黒な毛皮に身を包み、その巨躯はミルキィの倍近いだろう。
     重量にいたっては優に10倍近くはあろうかという熊が、ミルキィへと獲物を狙う血走った目を向けていた。
     その血走った目を向けられ、ミルキィは恐怖の表情を浮けべ―――ずに、それどころか逆に歓喜の表情を浮かべていた。
     理由は単純明快。
     ミルキィにとっては熊は恐ろしい捕食者ではなく、
     「―――新鮮なお肉が向こうからやってきたぁああああああっ!!」
     只の獲物に過ぎないのだから。
     ミルキィは腰のベルトに付けられている、一本の大型な包丁を手にする。
     包丁の銘は『ザ・包丁』
     熊などの大型な動物を捌く為の特注の包丁だ。
     特注だけあってその切れ味は鋭く、大型獣の骨をも切断できるほどだ。
     ミルキィは戦闘ではこの包丁を決して抜かない。
     何故ならこの包丁は、獲物である大型獣を捌くためだけに製造したものだからだ。
     つまり逆を言えば、この包丁を握るのは、ミルキィが獲物としたモノに対してのみ抜かれるということだ。
     そして今回の獲物といえば―――
     「熊かぁ〜、ちょっと臭みがあって生では食べられないけど……。何はともあれ、久々の新鮮なお肉。さあ、狩るぞぉ〜!!」
     獲物を前に野生の本能が目覚めたのか、獰猛な笑みを浮かべる。
     熊は熊で、その獰猛な笑みに本能的に己が身の危険を感じたのか、ビクリとその巨躯を震わせた。
     そして睨み合う事数秒、熊はクルリと身を翻すと、本能に従ってその場を逃げ出した。
     「あ、待てぇ〜!! 久々の熊肉、逃がさないよぉ〜」
     ミルキィも荷物をその場に放り投げ、包丁一本片手に、逃げた熊を追いかける。
     やがて「ボフゥウウウウウウッ!?」という、熊の断末魔の悲鳴が森に響き渡った。



     『ミルキィ・マロングラッセ』、元々の幸運に加え、『幸運を呼ぶ杖』を手にしたことにより、本人の与り知らぬところで更なる幸運に身を任せ、今日も今日とてトレジャーハントに勤しむのであった。
記事引用 削除キー/

前の記事(元になった記事) 次の記事(この記事の返信)
←愛の手を【ユーリィ・マカロフ編】 /ルーン →愛の手を【ユーリィ・マカロフ編】2 /ルーン
 
上記関連ツリー

Nomal 愛の手を【レイヴァン・アレイヤ編】 / ルーン (05/10/18(Tue) 22:48) #228
Nomal 愛の手を【ユーリィ・マカロフ編】 / ルーン (05/11/18(Fri) 20:30) #231
  └Nomal 愛の手を【ミルキィ・マロングラッセ編】 / ルーン (06/07/18(Tue) 23:27) #314 ←Now
    └Nomal 愛の手を【ユーリィ・マカロフ編】2 / ルーン (06/10/14(Sat) 22:44) #438

All 上記ツリーを一括表示 / 上記ツリーをトピック表示
 
上記の記事へ返信

Pass/

HOME HELP 新着記事 ツリー表示 スレッド表示 トピック表示 検索 過去ログ

- Child Tree -