Release 0シルフェニアRiverside Hole

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■525 / 親階層)  傭兵の
□投稿者/ ロボットもファンタジーも愛する者 -(2006/11/19(Sun) 15:56:30)
    暗闇の中で閃く剣閃、幾多幾重にも打ち合う刃と刃、怒号の様に響く音。
    夜に支配された闇の中で一人の青年と手に剣を持った魔物が斬りあっていた。
    青年が魔物の振るう剣を受け止め、魔物は青年が突き出した刃を避ける。
    一進一退の攻防の中、魔物は盾を構えた左腕で殴りつける様に薙ぐ。
    されど青年の方もまた、魔物が突き出した盾に蹴りを当てて攻撃を無効化。
    ……戦いは振り出しに戻り、膠着状態が続いていたが、終わりを告げる。
    魔物が意を決して剣を振り上げ、青年に斬りかかると、青年もまた魔物に対し
    て手にした大剣を逆袈裟の形で刀身を跳ね上げ、魔物を斬り飛ばそうとする。

    「……てこずらせやがって。」

    結果は――青年の一撃の勝利。
    青年の大剣の一撃の方が速かったらしく、剣を手にしていた魔物は斜めに斬ら
    れており、両断された魔物はずるりと崩れ落ち、生命活動を停止した。
    魔物の撃破を確認した青年は剣を振るって血糊を飛ばし、清められた聖水を刀身
    に振りかけて浄化し、その後で大剣を背中に差して――ふぅ、と溜息を吐いた。
    剣の腕にはそれなりの自信があったが、まだまだ精進が足りないと確信。
    更なる精進と練磨が必要である、と今回の依頼で戦った魔物を見てそう思う。
    しかも今回は『運良く勝てた』と内心で感じており、次回同じ様な魔物と戦えば
    結果は解らないし、地面で転がっているのは自分かもしれない。
    そうなりたくないし、そうならない為には自己の研鑽と練磨が必要である。
    青年はそう感じていた。

    「まだまだ俺も修行が足らん。……精進しないとな。」

    一言告げた後、青年・クレイル=ウィンチェスターは歩き出した。



    ハンターのお仕事
    第零話「傭兵な兄、魔法戦士な妹」



    市街地から遠く離れたこの場所、人気の無い草原で木剣を構えたクレイル。
    そして長く真っ直ぐな木の棒を構えた少女が対峙し、互いに隙を見つけようと必
    死に目をこらし、意識を集中させ、互いに互いを見つめ――少女が動き出す。
    小柄な体格を生かし、深く、そして低く踏み込んだ後、強く棒を突き出した。
    突き刺さればただではすまない付を青年は軽く捌き、お返しにと切り返しを見舞
    い、少女に向けて木剣を振り下ろした。

    「――っ!」

    強烈な振り下ろしを受け止め、棒と言う特性を生かして剣を払った後、距離を取
    り、一息ついてもう一度攻撃を仕掛けようとして…防御に回るしかなかった。
    クレイルが少女に肉薄し、手にした剣で連撃を見舞い、少女は手にした棒を必死
    に動かして剣撃を弾き、受け止め、捌き、何とか距離を取って体勢を整えようと
    するのだが、クレイルは許さずに追撃を加え、剣撃を加え続け、最後に――蹴り
    で少女手にした棒を払うと、がら空きになった脳天に――ハリセンを振り下ろし
    た。

    「――あぅ……。」

    「以前より攻撃が鋭くなったが――まだまだだな。」

    「うぅ、兄さんが強すぎるの……痛っ。」

    「反論するヒマがあるなら俺を追い抜いてみろ。」

    「うー……。」

    不貞腐れたかのような表情を浮かべ、ハリセンで叩かれた頭を撫でつつ兄を睨む
    のだが、問題の兄はドコ吹く風、と言った表情で妹の視線をさらりと受け流し、
    ハリセンをどこかに仕舞い込んだ後、手を妹の頭の上に置き、優しく撫でてやる。

    「……でも、何で私を叩く時はハリセンなの?」

    「お前、真面目に木剣で頭を殴られたいか?」

    「殴られたくないけど……ハリセンも嫌。
     何か悲しくなるから……。」

    「悲しくなりたくなければ強くなれ。」

    そう言ってペシペシと妹の頭を再び取り出したハリセンで軽く叩いていると、不貞
    腐れた少女はそっぽを向き、ついでに頭を叩いていたハリセンを手で払った。
    その瞬間に兄に対して棒の先を突き出すのだが――不意打ちの突きはあっさりと回
    避されてしまい、返す刀で少女の頭には今一度ハリセンが振り下ろされる。
    草原にとても良い音が響き渡った……。



    *自宅

    朝の訓練(もといシゴきとも言う)が終わった後、二人は根城にしているボロッちい
    一軒家へと戻り、軽く朝食を取り(なお、食事は妹が担当している。)、それぞれの
    用意、クレイルは装備を整えて傭兵ギルドへと赴き、目ぼしい依頼が無いかどうかの
    確認を行い、妹は市内の魔法学校へと行く準備をしていた。
    妹――ファリルは白を基調とした制服を身に纏い、手にはカバンを、そして――杖。
    淡く輝く白銀の杖を持ち、玄関へと向かい……。

    「さて、忘れ物は無いか、ファリル?」

    「兄さんこそ……忘れ物、特に傭兵ギルドの認定証は?」

    「確認した。問題ない。」

    「うん……こっちも問題ない。」

    忘れ物がない事を確認した後、互いに互いの顔を見て―――

    『『行って来ます』』

    そして、二人の一日が始まる―――。











    <言い訳とも懺悔とも>
     初めまして、そうでない方はお久しぶりです。ロボットもファンタジーも愛する者です。
    HNが長すぎるので『ロボファン』と略して頂いて結構です。……それ以外も問題はありま
    せんが……。
    さて、SSと言う物は初めてであり、幾分見難かったり、おかしい所があると思います。
    キャラはキャラでまんま兄、クレイルはダンテ、妹は――某・魔法少女アニメに出てくる
    金髪ツインテールの素直クール系美少女がモデルとなっている等、どこから取って来た様な
    捻りの無いキャラ達ですが、これから頑張って動かし、SSを終わらせたいと思います。
    SSを打つ者として未熟ですが精進していきたいと思いますので、どうかよろしくお願い
    致します。
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  └Nomal ハンターのお仕事第二話 / ロボットもファンタジーも愛する者 (06/11/22(Wed) 12:12) #534
    └Nomal 作者自身が暴走した三話 / ロボットもファンタジーも愛する者 (06/11/24(Fri) 16:22) #536
      └Nomal 第四話です。 / ロボットもファンタジーも愛する者 (06/11/27(Mon) 17:34) #543
        └Nomal 少々暴走している5話 / ロボットもファンタジーも愛する者 (06/12/02(Sat) 20:15) #545
          └Nomal 大暴走六話 / ロボットもファンタジーも愛する者 (06/12/05(Tue) 11:47) #548

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