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■245 / 1階層)  LIGHT AND KNIGHT 二話
□投稿者/ マーク -(2005/12/21(Wed) 22:07:41)




    「ふん、かなり古い物のようだ。
     けど、何かが通った痕跡があるな」
    「・・・・・」

    レイスと、そう名乗った少年の後ろを従うようにして無言で歩きつつ、
    ヒカルは自問自答を繰り返していた。
    (どうして、こんなことになった?
     まず、状況を把握して)
    途中で少年が倒れていた。
    そして、見捨てるのは心苦しかったので助けた。
    そして、助けたお礼に一緒に進まないかといわれた。
    (三番目が変だな)
    助けたお礼に同行しないかとなどと一体何のつもりだというのだろうか。
    何か、裏があると見るべきか。
    第一だ。
    (人の事、言えないけど、こんなところに一人で来てるのが妙ね)
    自分同様、同行を恐れる理由があるとも考えられる。
    が、ならば、ヒカルをこうも簡単に仲間に誘ったことが矛盾する。
    (一体何が目的?)



    「どうかした?」

    立ち止まったヒカルに気付いて、レイスも立ち止まり、振り返ってそう尋ねる。
    意を決し、ヒカルはレイスに問いかけた。

    「あなた、何が目的?」
    「目的?
     ここにあるアーティファクトだけど」
    「そうじゃなくて」
    「?」

    とぼけているのか、それとも、素なのか。
    レイスの返答はヒカルの警戒を払うものにはなりえなかった。
    もっとも、ヒカルもそう簡単に本心を言ってくるとは思っておらず、
    とりあえず、レイスの返答を元にさらに疑問を問いかける。

    「まあ、いいわ。
     同行しないかっていうのはどういう意図?」
    「単純に、一人だとさっきみたいな事になりそうだからだけど」
    「じゃあ、なんで一人では行ったの?」
    「簡単さ、赤の他人は信用できないからね」

    明らかに矛盾した答えに警戒心をさらに深め、問い返す。

    「私も赤の他人だけど?」
    「違うよ」

    ヒカルの問いにすかさず、否定の言葉が入る。
    そして、そのままレイスが言葉を続ける。

    「君は見ず知らずの僕を助けてくれたお人よしだ。
     だから、信用できると思う」
    「・・・・・・ちなみに、褒めてるのか貶してるのかどっち?」
    「褒めてるつもりだよ?」

    そういって、笑みを向けてくるレイスに対し、腕を組んで若干、苛立ちを孕んだ視線で返す。

    「そんなんで判断するなんてそういう自分がお人よしじゃない」
    「そうかな?
     まあ、とにかく、君は信用できると思った。
     だから、誘った。それじゃ駄目かな?」

    そういって、邪気のない笑みを向けてくるレイスに対し、疲れたと言わんばかりに
    溜息をつく。

    「・・・・・・・・はあ。いいわ。
     とりあえず、条件を聞く。
     分け前は?」
    「僕分け前はアーティファクトだけでいいよ」

    と、言ってのけたレイスに対し、僅かに間が空き、そして、ヒカルがレイスの胸倉を掴み上げ、揺さぶりだす。

    「いい?
     このさきはおそらくまだ誰にも荒らされてない当時のものよ?
     アーティファクトだけでいいですって?
     この先にあるのほとんどじゃない!!」

    一息でまくりたてるもそこで息が切れ、手を離して肩で息をしながら息を整える。
    そして、キョトンとした顔で今さっき首を絞められたというのに平然として、息を整えるヒカルに答える。

    「そうでもないよ」
    「は?」
    「さっき見た限りじゃ、このあたりここ最近誰かが通った痕跡があるんだ。
     もしかしたら、もう荒らされた後かも」
    「ちょっ、ちょっと待って。
     じゃあ、あのガーディアンは?」
    「誰か、ここを根城にする何者かが後から仕掛けたものだと思うよ。
     攻撃パターンとかが他のクリチャーと違ってたから製作者が違うと思う。
     まあ、何かを隠してる可能性は高いと思うけど・・・・」

    ぽかんと、口を開けてまま、ぶつぶつと自らの推測を口にするレイスを信じられない物でも見るような目で見つめる。
    何故、そんなことが分かるのか?
    いや、そもそも、そんな些細なところに疑問を持つこと自体がおかしい。
    いったい、これは何者なのか?

    「まあ、そんなわけでここは既に荒らされてる可能性もあるってことさ。
     でも、守らせてたってことはアーティファクトを隠してる可能性も充分ある。
     確かに、分け前が不公平だな。
     そうだね、こうしたらどうかな?
     見つけたものは全て君に譲ろう。
     ただし、アーティファクトだけは僕が全て買い取る。
     これなら、どうだい?」
    「ええ?いや、まあ」

    思考をさえぎられ、慌ててその言葉に生返事だけを返し、その条件を反芻する。

    「・・・・確かに、私が欲しいのはアーティファクトじゃなくてお金だから、構わない けど、あんた、そんな大金持ってるの?」
    「ああ、それは安心していいよ。
     こうみえても、僕はお金持ちだから」

    こう見えても、というがむしろ金持ちとか貴族とかと言われた方がしっくり来る。
    やはり、どこかの貴族かそんなとこなのだろう。
    そう自分を納得させて、レイスの横まで進む。

    「分かった。
     けど、魔法具については山分けね。
     さすがに、そこまでされると悪いわ」
    「そんなこと、気にしなくてもいいのに」
    「私がいいって言ってるんだからいいでしょ!」
    「分かったよ、そこまで言うなら、アーティファクトは僕が。
     その分の対価は君に。それ以外は山分けでいいね」
    「ええ」






    「はあっ!!」

    通路を塞ぐようにして立つ数体の異形の化け物。
    それに対し、全速を持って踏み込み、そのまま急制動を掛ける。
    完全には止まらない。
    軸足となる右足を一点に固定したまま、身をひねり、慣性の力を受け、
    力の流れ行くままに一転、その回転力を利用して後ろ蹴りの要領で
    化け物の身体へと一撃を打ち放つ。

    「ギャアァァ」

    衝撃のまま、異形は吹き飛ばされ、壁に叩きつけられ動きを止める。
    そして、それによって開いた空間。
    その先で戦うレイスへと叫ぶ。

    「しゃがめ!」

    少年はその声のままに、横から振りぬかれた腕を身を屈める事でかわす。
    だが、空振りした腕を今度は真上から振り下ろし、レイスへと迫らんとする。
    しかし―

    「ヒュッ!」

    ヒカルが横一文字に自らの足を全力でふりぬく。
    そのスピードにより、小さな風切り音が、周囲に聞こえ―

    ―ドバッ

    化け物の身体がちょうど、腹の上辺りを境に、鋭利な刃に切られたかのように、
    真っ二つに別れ、地面に仰向けに倒れこむ。
    そして、倒れた化け物の直ぐ目の前に屈んでいたレイスは自分を覆う外套に
    かかった化け物の血を見て、やれやれといった感じで肩をすくめ、外套を外す。
    そして、その返り血を浴びせかけることになった張本人が、慌てて駆けつける。

    「ゴメン、ついいつもの調子でやっちゃった」

    普段、あの技は離れたところから使う非近距離用の技であり、蹴り技を主体とし、
    剣などの武器を使わないヒカルにとっては唯一といっていい『斬る』攻撃だ。
    ゆえに、普段から、返り血を浴びるようなことになるのは少ない。
    そのため、今もそんなところまで気にしなかったが、その結果がこれである。

    「助けようとしたんだし、気にする必要はないよ。
     でも、もうこの外套は駄目だな」

    返り血を浴びて、紅く染まった外套を無造作に放り、通路へ向けて歩み出す。
    あそこまで、返り血に染まっては簡単には取れない。
    ましてや、見るからに醜悪な亜人種の返り血を浴びた外套など、
    私だって着る気にはなれない。

    「でも―」
    「なに?」
    「今のはなんだい?」

    後ろへ振り返りつつも、歩みを緩めず、そう聞いてくる。
    今の―とは、おそらく、あの亜人を斬った技のことだろう。
    この技などは、どうということの無い技のはずだが。

    「今のは、単純に魔術で集めた風を足の周りに収束させて蹴りの勢いで放つ―
     ってだけのことだけど?」
    「風の魔術?
     詠唱は?」
    「そんなの風を収束させる程度なら私は必要ないわ。
     私の『門』はほとんど風の属性だし、容量も大きいし―って」

    と、そこまで言って、言葉を切る。

    「えっと、容量なら分かる?」
    「その人の持つ魔力の大きさ、だね。
     『門』はその人の使える魔術属性を示している」

    容量という単語ぐらいは知ってても普通だ。
    ただ、『門』については話が変わって来る。
    なにせ、この『単語』は世間一般に魔術師と分類されるものですら、
    知っているかどうか危うい言葉だ。
    そもそも、魔術とは人が持つ魔力を式という形に乗せ、この世界に現すこと。
    それが、一般的な見識だ。
    では、魔術の属性とはどこから来るのか?
    知識を持たないものはこれは式に付属してくるものだと思いがちだが、
    それならば、人によって属性に得手、不得手が存在することに説明がつかない。
    そう、属性とは式ではなく、それを動かす魔力のほうにこそ関わっているのだ。
    私は、この仕組みをセイの影響か、絵に例えて捉えている。
    魔力とは水であり、属性は色、筆は式、キャンバスは世界、出来上がる絵が
    顕現した魔法である。
    そして、筆や、水に色をつける絵の具たるもの、すなわち属性を決めるもの、
    それが『門』である。
    人が持つ『門』の数は決まっておらず、また種類も複数ある。
    水ならば文字通り『水門』、火なら『火門』、風なら『風門』といった具合だ。
    結果、同じ種類の『門』が多くあればあるほど、その属性に適した体質といえる。
    私の場合、他の属性はあるがたいした数は無く『風門』のみ、かなり存在する。
    それは『門』の傾向は生まれ育った環境に起因すると考えられるからだ。
    ハーフエルフたる自分は森、木に対して縁があり、木と風は密接な関係にある。
    花の花粉は風に飛ばされ繁殖し、林は風を遮る壁となるからだ。
    故に私は木の属する風の属性が強い。
    逆に、雪とは無縁の環境で育ったため、私の『氷門』の数はゼロである。
    獣人が魔術の才能がさっぱりなのは、この『門』が体質的に皆無だからであろう。
    式を組めてもそれを動かす魔力が取り出せないのだから、E・Cにでも頼らねば
    どうしようもないということだ。

    「―あなた、魔術師?」
    「イエスであり、ノーかな。
     僕は魔術師を目指してた者だ」
    「過去形?
     挫折したの?」
    「うん、努力はしたけど、才能が無かったんだ」

    それはつまり、『門』がほとんど無かったということか。
    魔術師の才能は、魔力とそれ以上に『門』の数だ。
    なにせ、実際のところ、『門』の数さえあれば、詠唱を短縮できる。
    いや、それは少し違うか。
    本来の長さでやれるのだ。
    元々、魔術の式は基本となる主節のみで、十分に起動できる。
    それをああも長くしてるのは、精度の上昇もあるが、それ以上に、通常の『門』の量では主節の詠唱よりも、魔力の練り上げの方が時間が必要だからだ。
    そして余った詠唱時間に精度を高めるためとして詠唱を加えているだけといえる。
    故に『門』が少ない、というのは魔術師にとってこれ以上ないほど致命的なのだ。

    「まあ、今思えば、向いてなかったんだね」
    「ふうん」
    「君こそ、魔術師って感じには見えないけど?」
    「私はハーフのエルフで、親は魔術師だったから」
    「ハーフエルフ!?」

    信じられない、とばかりに驚愕の声を上げ、こちらを凝視する。
    そんなに驚くことだろうか?
    そんな、気持ちが顔に出たのだろう、レイスはすぐさま、あやまり、
    疑問をぶつけてくる。

    「すまない。
     でも、エルフって耳が長いんじゃ?」
    「はあ、エルフはそうだけど、ハーフの場合は肉体的特長は継承することもあれば
     しないことも多いの」
    「へえ、今まで見た限りじゃ、ハーフもみんな耳が長かったけど」
    「まあ、肉体的特徴が顕著なほうが分かりやすいに決まってるものね。
     ハーフだって気付かなかっただけでしょ」
    「なるほどな。っと」
    「ついた―わね」

    狭い通路を抜け、開けた空間に出る。
    今まで通ってきた通路の途中にあった部屋と大して大きさに代わりは無いが、
    敵の変わりに、周囲の壁には棚が並び、様々な物が置かれている。
    置かれているものはいかにも古臭そうな無骨な大剣から、新品同様の輝きを放つ
    精巧なアクセサリー、はたまた、魔法薬の原料であろう、良く分からない葉っぱや
    干物、緑の液体の入ったビンが取りとめもなく、存在している。
    だが、それらをみて感じられる印象はあえて、言うなら物置。
    少なくても、大切に保管してあるとはとても言いがたい。
    が、置かれている物は決して悪いものではないようだ。
    むしろ今では数が減り、手に入れるのが困難なトリネロと呼ばれる薬草があった。

    「トリネロの葉なんて、珍しい」
    「それだけじゃないよ。
     こっちはユラの枝とカーキの根。まだまだ、他にもある」

    と、今までとうって変って酷く真剣な顔つきで食い入るように眺めている。

    「やけに、詳しいわね」
    「ん?ああ、魔法薬は才能は無関係だからね」

    どこか自嘲ぎみに笑いながら、魔法具の鑑定に没頭するレイスを見て、
    少々居た堪れなくなる。
    これほどの知識を得るために尋常ならざる時間を費やしたのは、
    押してしるべしであろう。
    だというのに、才能という決して覆せぬ壁に道を阻まれたのだ。
    しかし―

    「なんで、剣士なんてやってるのかな?」

    魔術師から、なんでまた正極と言って良い剣士なんて道を選んだのだろう。
    折角の魔法薬の知識を生かして医者でもやってたほうが遥かに楽で安全だ。
    しかし、ただ、小さく呟いただけのその言葉は本人には届かない。
    直接聞けば答えてくれるかもしれないが、あまり聞こうとは思わない。
    興味が無いわけではない。
    が、余り深く関わるの相手にとって、自分にとっても厄介なことになりかねない。
    所詮は、偶然出会った赤の他人でしかないのだから。
    そこで、思考を止め、辺りをもう一度見る。

    「ん?」

    すると、一箇所だけ、気になる箇所があった。
    何が、と言われると少し困るがあえて言えば臭いだ。
    一箇所だけ、妙に生臭いというか淀んでいるというべき場所がある。
    それは入ってきた入り口とちょうど反対の位置の壁。
    さらに、その先には大きな力の流れが今更ながら、知覚できた。
    力の流れはおおよそ見当がつく。
    龍穴、マナスポットと呼ばれる魔力の集まる場所だ。
    だが、それが淀んでいるというのが気になる。
    反対の壁まで歩み寄り、そこに触れようとする。
    すると、手のひらに石の壁とは明らかに異なる感触が感じられた。
    同時に、壁に触れた手の平に圧力を感じ、ゆっくり壁から手を離す。

    「結界かな?」
    「うぇっ!?」

    突如、背後から声をかけられ素っ頓狂な叫びを上げる。

    「いきなり、声をかけないでよ!!」
    「ゴメン、ゴメン。
     それより、これ結界だよ。
     見た目は普通の壁に見せてるけど」

    物怖じず、結界に手の平を当てて、観察している。
    やがて、結界から手の平を離し―

    「試してみるか」

    そう言って、腰に下げた剣を一本だけ抜き放ち、

    「ふっ!」

    袈裟斬りに振りぬいた。
    普通の片手直剣より短めの双剣は結界に届かず、空振りする。
    しかし、振り抜いた瞬間、何かが割れるような音と共に結界が薄れ消滅した。

    「なに、今の?」
    「企業秘密、かな?
     まあ、僕の特技だよ」

    そういって、笑いながら誤魔化す。
    本人が言うのを嫌がっているのだから、無理に聞くべきではないだろう。
    それよりも、龍穴だ。
    消滅した結界の先には今までと同様の広さの通路と、その直ぐ先に小さな小部屋だけがあった。
    小部屋は真ん中には、ちょうど龍穴が位置し、龍穴を中心に巨大な魔方陣が描かれている。
    特徴的なのは一般的な古代語の紋様だけでなく、蓬莱的、つまり漢字が一部に用いられていること、それと中心の龍穴の位置する部位に突き刺さった一本の木の棒。
    古代語のほうは読めないので、使われている漢字を見て、その意味を読み取る。

    「呼ぶ・・・召還陣?」
    「そのようだね、ここのマナスポットの魔力を利用した魔物の召還魔方陣だ。
     もっとも、作ったものは大した腕ではないようだね。
     強引な回路に、強大な魔力を流し込み、起動。
     あまつさえ、その負荷をあの木に吸収させて動かしているんだ」
    「なるほど」

    レイスの言葉に、ふんふんと頷きつつ、魔方陣まで歩み寄り、

    「ほっ」

    中心に突き刺さった棒をあっさりと、躊躇いなく抜く。
    そのまま振り返ると、レイスは口をポカンとあけ、呆然と言った顔でこちらを
    見ているのに気付く。

    「なによ、教会で聖女と悪魔が杯を交わしてるのを見た見たいな顔して」
    「いや、その例えいまいち良く分からないし。
     って、いうか何でこんな表情してるか分かってるでしょ、君?」
    「むっ」

    それぐらいは分かる。
    つまり、信じられないものを見た、という顔だ。
    分からないのは―

    「何か、信じられないものでも見たの?」
    「本気で言ってる?」
    「当たり前でしょ」
    「はあ」

    と、答えとして重い溜息が帰ってきた。
    溜息をつくごとに幸せが逃げるというけど実際はどうなのだろう?

    「ねえ、いい?
     普通、危険かもしれない魔方陣に躊躇なく踏み込む?
     その上、歪みを押さえ込んでた媒体を無理やり引っこ抜いたらどうなると思う」

    そこまで言って、ようやく言わんとしている事が、そしてその危険性が分かった。

    「どっどうしよう!?
     今すぐ、戻して―」
    「いや、その必要はない。
     どうやら、歪みが限界を超えて、先に式が崩壊したらしい」
    「なんだ、脅かさないでよ。
     なら、万事オッケーじゃない」
    「・・・・・・」

    と、その言葉になぜかレイスは不機嫌そうに顔をしかめていた。
    何だろう、と向き合うとおもむろに口を開いた。

    「今の君の言葉は、運が良かったからこそ言える言葉だ。
     もっと、気をつけるべきだ」

    出てきたのは、こちらに対する弾劾の言葉だ。
    それは確かに、巻き込まれていたかも知れない相手からすれば当然の言葉だ。

    「運が良かったから―か」

    レイスに聞こえないほど、そう小さく一人呟く。
    呟きが届くはずもなく、レイスはこちらを振り向くことはしない。
    だからこそ、自分の心の中で言葉を続けた。







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