Release 0シルフェニアRiverside Hole

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■180 / 9階層)  蒼天の始まり第十四話
□投稿者/ マーク -(2005/04/05(Tue) 21:57:44)
    2005/04/05(Tue) 21:58:00 編集(投稿者)

    『分かれ道』




    「おっ!」
    竜の谷といわれる場所で空を眺めていたクロアは空の遥か先に黒い影を見つけ
    立ち上がる。
    「帰ってきたな」
    影は4つ。
    数が多いが間違いないだろう。
    降りてきた5人を眺め、記憶を探る。
    ―2名該当なし。
    「ミコトにバルムンクにフィーアに・・・
    どちらさん?」
    その声に額に手を当て呆れながらも頭を上げ、バルムンクが答える。
    「ここの長に伝えてくれ。
    バロニスから客人が来たと」
    はっきり言って、フィーアとミコトもあまり状況が掴めないでいた。
    これらの人物がどうい存在なのか、現れた理由は想像がつく。
    だが、自分たちより遥かに上の存在、絶対的な支配者と並んで飛ぶなど、
    敵対しているわけではないとはいえ、どうしてもピリピリしてしまう。
    しかし、警戒して少女に目を向けると微笑まれ、どうも調子が狂う。
    なによりも分からないのはこの二人とバルムンクの関係だ。
    初対面の筈なのにリリスとはかなり親しく、逆にアベルとは妙に険悪だ。
    吸血鬼だから接点が無いとは言い切れないが初対面に変わりは無いだろう。
    バルムンクに直接聞いてみてもここに着けば分かるだろうと言って
    頑なに言おうとせず、当の二人もまた、言おうとしない。
    ただ、それぞれマイペースについて来るだけだった。
    結局、この奇妙な組み合わせのおかげでここに来るまでとても長く感じた。
    二人とも、クロアを見たときやっと見知った顔を見つけて落ち着いた。
    そして、そんな二人の心中など気にせずクロアはリリスを見て
    ―これはまた極上だな。
    と考えていた。
    どうやら、彼は本気で節操がないらしい。





    「セリス、バルムンクが―」
    ミコトはエルリスの看病しているセリスに帰ってきたこと、そして、
    目当ての人物が来たことを伝えに来たわけだがセリスは寝ているエルリスの
    上に倒れ、気持ちよさそうに寝ていた。
    看護疲れだろう。
    ミコトはクロアからエルリスがこの戦いで精霊を憑依させて、倒れ
    その後ここ数日間寝たきりになっているとは聞いていた。
    そして、それをセリスがほとんど寝ずに看病しているとも聞いていた。
    セリスを起こそうかと一瞬、考えたがミコトはセリスの目覚めの悪さを
    修行中のサバイバルでその実態を眼の辺りにした。
    エルリスに本当に起こせないのか聞いたが、あることをしなければ、
    ほぼ絶対に起きず、そのあることがとても面倒なことだから自発的に
    起きるのを待った方がいいと言うことだ。
    そして、無理に起きそうとするのが何よりも危険なのである。
    好奇心というべきか、寝てるセリスを起こそうとしたらとんでもないことに
    なった。
    何故かは知らないけどセリスは寝てるときのほうが魔力が穏からしく
    その所為で無理に起こせば違う意味で暴走する。
    普段のセリスなら放てば暴走して倒れるような規模の魔力弾を寝ぼけながら
    乱発してくるのだ。
    サバイバル中、周りの壁がその所為で崩れかけあやうく生き埋めになり掛けた。
    ―まあ、いっか。どうせ起きたら会えるだろうし。
    ミコトはそう結論を出し、これほど気持ちよさそうに寝ているのを起こすのも
    忍びなくなにより、自分から地雷を踏みに行くのはもう2度と御免だった為、
    セリスに毛布を掛けて他の者が集まる場所に向かった。





    「なっ、なんであんたまで!?」
    最後の役者であるミコトが目的の場所に入った瞬間、見知った顔、
    様々な意味でもっとも強大な『敵』を見つけてつい、大声で叫ぶ。
    「まあ、確かに私がいるのは君からすれば不自然かも知れないな」
    そういって銀の月アルテ、シルヴィス・エアハートがため息をつく。
    「ああ、ごめん。
    でもシンクレアがまた集合するなんて驚きでしょ?」
    「でも、それを言えばそちらもでしょ?
    バルムンクにそっちはバロニスのお姫様と王子様。
    まだ、こっちの方が質素よ。
    一体どうしたの?」
    そういって、ユナが静かに突っ立っている三人に顔を向ける。
    あまりの豪華、そして節操のない顔ぶれにミコトやユナも混乱している。
    「ふう、とりあえず状況を整理するのが先のようだな」
    この中でも最も長寿の竜の長が大きなため息をつき、
    部屋にいる全員に顔を向ける。
    そして、全員でお互いの身に起きたことを話し合った。



    「なるほど。目標がバロニス、しかも常闇の城を狙っていたとわけか」
    「はい。その後、私の城にも代行者が襲ってきましたが従者が撃退しました。
    そして、城と街を従者に任せ転移の魔法で狙撃点まで跳んだら
    彼らに会ったのです。
    が、まさか魔族が王国と手を組んでいるなんて」
    「そちらがM・Cを確保したため数に変化はないが危険なことに変わりはない。
    そして、未確認とはいえ魔族が王国の繋がっている可能性があるのは危険だ。
    そちらの所持していたM・Cは無事か?」
    「いえ、それがM・Cの力を用いてあの街は常に夜を保っているらしいのですが
    それの置かれた所在は私も知らないのです」
    「だが、よっぽど大丈夫だろう。
    万が一奪われれば常夜が消える。
    そうすればみな、直ぐに気付くだろう」
    千年と言う時間を生きた者たちの会話に入りづらそうにしていたミコトたちが
    遠慮がちに入る。
    「えっと、王国と魔族はM・Cを集めてどうする気でしょう?」
    「M・Cを利用して動く危険なオーパーツは沢山ありますから
    それに使う気でしょうね。
    魔族ならそれを所持することによって手に入る魔力が狙いなのでしょう。
    過去にも魔族がM・Cを狙った事件はありました。
    あと、そんなかしこまらなくても良いですよ?
    私の友達は2人とも、普通に話してくれてますから。
    と言っても1人は喋れないですから1人だけですね」
    喋れない・・・そう聞いてあの街の店に住まう少女を思い浮かべたが直ぐに否定する。
    いくらなんでもそんなことあるはずがないのだから。
    「竜族は王国に報復に行くの?」
    「・・・我々を襲ったのは魔族だ、人を襲う理由はない。
    だが、もしも魔族と癒着しているのならその限りではない。
    そして、なによりM・Cが―」
    「竜族のM・Cは私が回収しましたから竜族にお返しいたします。
    これが竜族と魔族の全面戦争にでもなれば世界中が混乱し、
    他の種族がどうなるかは見当もつきません。
    ですので、竜族はこれで無関係ということで
    どうか自重していただきたいのですが?」
    「むう。なるほど、一理あるな。
    王国が北のエルフ領に手を出そうとしたとき牽制の為に、同盟を結んだのだが
    これで我々が落ちれば竜という後ろ盾を失ったエルフに対し、
    まず、間違いなく王国が攻めるであろう。
    良かろう自重しよう」
    その答えを聞いてユナは一先ず安心する。
    あとは王国をどうするかである。
    「それでは、私たちはいったん王国の方へと戻るとしよう。
    これ以上竜族に迷惑を掛けたくないからね」
    場所を変える理由は竜族にテクノスのことはあまり伝たくないからだ。
    そのテクノスのことで疑問があるのだが竜族の前では話せないので
    場所を変えようとアルテが提案していた。
    「私もそうしてもらいたいかな。
    あまり長い間、王国を離れるわけには行かないのよ。
    集まるところは・・・あの店で良いわね」
    と、ミコトが少し前に滞在していた街の熊のような男の店を
    頭に思い浮かべる。
    他の人もそれで大体伝わったのか異論は無いらしい。
    「そうか。では『継承者』たちよ。
    汝らの行く手に幸多からんことを」







    「で、何故ここに来る」
    ベアは怒りを露にし、突然訪問してきた団体を睨む。
    おかげでベアの店は再び休業中である。
    そして、エルリスたちのおかげでなかなか忙しくなってしまい
    二人では人手が足りず、その手伝いをしていたルスランたちは
    店が休みになったのに大喜びである。
    ルスランは黒いスーツを纏い、サクヤとアウラは普段なら絶対に
    着そうにないようなチェチリアとおそろいの服を着ていたが、
    二人は今は二階で寝ているセリスとエルリスを見ている。
    どうやらあの服が店の制服になったらしいが、
    いつの間にこの店は冒険者の店でなくなったのだろう?
    「別にいいじゃんか。英雄の来る店って宣伝したらどうだ?」
    「いやいや、いっそこの美しき女性たちにもウエイトレスを頼めば繁盛間違いなしだぜ?というかクロア、この人たち紹介してくれ!!
    こんな美しき女性たちといつの間に1人だけお知りあいになったんだ!?
    羨まし過ぎるぜ、コンチクショー!!」
    と、途中から目から血の涙を流しそうな勢いでルスランがクロアの胸倉を掴む。
    どうやら、女性陣に意識が向いてて英雄という言葉は聞こえなかったらしい。
    「フッ」
    と、まさに勝者の笑みで胸倉をつかまれながらルスランを見下す。
    実際はかなり呼吸が苦しい。
    このままだと直ぐに落ちるだろう。
    「バカ2匹」
    「まあ、昔から類は友を呼ぶと言うからね」
    「というかバカだとは思っていたが本当に単細胞生物だったなんて」
    「なるほど、裂ければ増えるわけか」
    上からユナ、ミコト、フィーア、アルテである。
    怒涛の4連攻撃に両者ノックダウン。
    ふと、他のところに眼を向ければチェチリアとリリスが話し合っている。
    といっても、チェチリアは喋れないから話し合いになるかは疑問だが。
    「ねえ、ベア。あの人って知ってる?」
    「ああ、たまにチェチリアに遊びに来る同じ趣味を共有する友達らしいぞ。
    名前は知らんが」
    ・・・現実は小説より希なりとはよく言ったものである。
    自分の国に伝わる言葉を思い出し、1人納得する。
    というかこのままじゃいつまで経っても話にならない。
    「それでこれからどうするの」
    出来る限り低く言い、世間話をしている者たちの注目を集める。
    そこでようやくここに来た意味を思い出し、1人また1人と座り向かい合う。
    「ああ、ちょっと。ベアも来て」
    込み入った話になるのだろうと判断したベアは席を外し、倉庫の整理にでも
    行こうとしたがミコトが引き止める。
    「ちょっと、最近情報仕入れてないから提供して欲しいんだけど」
    「ったく、こういうのは等価交換が基本だ。
    そっちも金か情報を出せよ」
    そういって、ベアも渋々席に着き、話を始める。
    「で、まずベア。なんか王城の方で事件はあった?」
    「それほど大きいのはないな、表には。
    裏では騎士団が動いたと言われてるが確かな情報じゃない」
    表、つまり一般的な噂や情報。
    裏なら普通は出回らない情報や、噂。非公式なことなどである。
    「じゃあ、騎士隊長がまた出奔とかって噂はある?」
    一瞬アルテが顔を眉間に皺を寄せたが直ぐさま普段の顔に戻す。
    「なんだそりゃ?
    一体、誰の話だ」
    と、首を傾げながら答える。
    何故かは知らないがどうやら王国はアルテが行方をくらましたのを
    隠しているらしい。もしくは気にしてないかだ。
    「お前なら揃うなんて今度はどんな厄介ごとだ?」
    シンクレアが動く=厄介ごとというのは酷い気がするが否定できない。
    「騎士団が動いたのは事実。
    だが、非公式の部隊で竜族に攻撃を仕掛けようとしたが何者かに阻まれた」
    アルテに続き、バルムンクが言葉を継ぐ。
    「そして、バロニスへオーパーツの兵器が撃たれた。
    その際、常闇とその臣下たちは城ごと消滅。薔薇姫と月下は健在だ。
    兵器は既に何者かに破壊されている」
    「何者かねえ。
    王国の英雄だったりしてな」
    「王国の英雄?」
    笑いながら、くだらないことを言うベアの後ろから声がした。
    目を移せば二階にいたはずのアウラたちと復活したルスランがいつの間にか
    すぐ後ろまで近づいて来ていた。
    「まるで見ていたかのようだな」
    と、サクヤがさらに爆弾を落とす。
    「もしかしてシンクレアに会った事あるの?」
    無論自分からばらそうとする者はいない。
    たった一人を除いて。
    「ふふふ。何隠そう俺様、ついでにあの5人こそが
    この王国の英雄シンクレアさ」
    と、自慢げにバカがいっそ清々しいほど見事にばらす。
    どうも、微妙に酸欠が頭が回っておらず本能的にやってるらしい。
    女性が聞いてきたから何も考えず素直に答えたのだ。
    これで聞いたのが男だったら違う展開になっていただろうがもう遅い。
    当然5人でクロアをボコボコにし、ようやく気が済んだのか席に戻っていく。
    残念ながら同情の余地はない。
    ルスランも友の悲しき運命に冥福を祈りつつ、何も言わない。
    何か言えば、次にこうなるのは自分かもしれないのだ。
    迂闊な事など言えず静かに黙っている。
    アウラとサクヤは身の危険を感じ、再び二階のエルリスを見に行く。
    そして、ルスランは針の筵に座らされた思いになり居続けるのは不可能と判断し、
    べアの代わりに倉庫の整理をするといい、この場を抜ける。
    そして、怒気をはらんだ空気の中、話は進む。
    ベアもこの空気はキツイのかここで抜けると言おうとしたら
    睨むだけで人が殺せるなら竜さえ殺すであろう鋭い視線を
    5人から浴びせられる。
    が、そこは流石は元腕利きの冒険者。
    そんな視線を振り切ってこの場から抜けていった。
    「それで、騎士隊と戦った際にテクノスとも戦った。
    今の王国の技術ではあれほどの物は造れないから
    他の国、というよりアイゼンブルグとつながっている可能性が
    あると思うのだが」
    抜けていったベアが見えなくなると、何もなかったかのように
    話は進められる。
    「それを調べるの?」
    「そう。ただ、王国が本当に魔族とつながっているか。
    それも調べねばならない」
    と、沈痛な顔で眼を閉じる。
    騎士として仕えてきた王に裏切られたようなものだ。
    シルヴィスには辛いことだろう。
    「王国は私が調べるわ。ちょうど探し物のついでだし。
    アルテじゃあ、やり辛いでしょ」
    「じゃあ、私たちは協団と学園都市かな。
    王国内にいると危ないし」
    と、ミコトとフィーアが片手を軽く上げる。
    「それより、フィーアは王国のテロを探してくれないか?
    この先はこれらの動きも注意せねばならないと思うから」
    「ああ、そっか。
    分かった。任せて」
    「そうすると私が協団?」
    ユナの問いにシルヴィスが静かに首を振る。
    「いや、それよりもユナ・・・でいいのかな?」
    「ええ」
    「ユナにはアイゼンブルグに行ってもらう」
    「アイゼンブルグ?
    なんでまた私が?」
    順当に行けば内部に入れるユナが協団の調査には打って付けである。
    逆に、わざわざユナがアイゼンブルグに向かうメリットなど無いに等しい。
    「協団はそれほど危険は無いだろう。
    君に行って貰う理由だが、実は君の兄から手紙を預かっている」
    「なっ!?」
    ―お兄ちゃん!?
    「以前会った時に預かったのだが、あの者は少々そそっかしいな。
    サラの正体を知らなかったから今まで渡しにいけなかったのだ。
    その名前だけでも分かっていたら何とかなったのだが」
    そういって、軽く笑いながらシルヴィスはアーカイバから
    1つの手紙を取り出す。
    「君の兄はアイゼンブルグに行くと言っていた。
    そんなわけだからユナはアイゼンブルグを調べてくれ」
    手紙を受け取り、強く抱きしめる。
    「分かった。じゃあ!!」
    今まで追いつづけてきた兄の手がかりを見つけ、いてもたってもいられず、
    ユナはすぐさま出て行ってしまう。
    「慌しいな。
    それで、バルムンク。
    あの少女をどう見る?」
    と、今まで全くと言っていいほど喋らなかった男を呼ぶ。
    男はどこか不機嫌そうに返事する。
    「あの魔力を見ればそう判断するのが妥当だろう。
    俺にはあれが誰かは知らん。
    第一、俺よりお前の方が『継承者』には詳しいだろう?」
    「まあ、そうだね。
    では私は彼女たちをあの場所に連れて行き、
    確認しよう」
    「彼女たち?」
    と、バルムンクが疑問を返す。
    いや、それが誰を指しているかはわかる。
    だが、分からないのは何故その姉も共に連れて行くかである。
    「彼女の精霊。
    あれは君以外には扱えぬものだ。
    君なのだろう?アレを宿したのは。
    それならば、もはや彼女も関係者だ」
    「何の話?
    いえ、それよりエルに精霊を宿したのやっぱりあんただったの!?」
    ミコトがバルムンクに詰め寄る。
    胸倉をつかみ、逃がさぬように強く、強く掴む。
    「・・・そうだ。あの戦いのあと、俺は重傷を負っていた少女に見つけ
    助けるために精霊を宿した」
    淡々と事実を語る。その言葉に嘘はない。
    その言葉に掴んでいた服を離す。
    「・・・精霊は取リ出せるの?」
    「取る事はできるがそうすれば彼女は死ぬだろう。
    あの時、既に魂の核に当たる部分にまで傷が届いていた。
    それを精霊で埋めて生かされているのだが取り出せば死しかない」
    「そっか。
    ゴメン、あんたも辛いんだね。
    ・・・・知り合いだったの?」
    と、バルムンクが自嘲気味に笑う。
    ―そんなことは忘れた。
    そういっているようだった。
    「あの少女にこれを渡してくれ。
    少しぐらいなら精霊を抑えられる」
    そういって無色透明な宝石を投げて渡す。
    「精霊石という石だ。
    本来は精霊を僅かな時間だが宿し、使役させられる代物だが
    これを持っておけば憑依させても意識ぐらいは保てるだろう。
    俺は教会を調べる。
    あの男がいったい何者か、その正体を調べる」
    ―俺と同じ顔、いや俺の過去の姿をしたあの男を。

    「・・・いっちゃった」
    バルムンクの出て行ったドアを見ながら呟く。
    「協団はいいの?」
    「秘蔵していたM・Cを奪われたのだろう?
    これは協団には大損だ。
    手を貸すことはもう無いだろう」
    「そっか、ならいい。
    ・・・アルテ、エルたちを頼むわよ」
    「シルヴィス」
    「?」
    振り返り、シルヴィスの顔を見る。
    「もう、その名は必要ない。
    私はシルヴィス・エアハートだ」
    今まで見たことがないくらい誇らしく、笑う。
    その笑みにつられ、ミコトも同じように笑う。
    「そう。私はミコト、ミヤセ・ミコトよ。
    今後ともよろしく」




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