Release 0シルフェニアRiverside Hole

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■140 / 3階層)   Irregular Engage 壱、従者ノ到着(V)
□投稿者/ カムナビ -(2005/02/02(Wed) 17:17:11)
    2005/02/07(Mon) 15:59:37 編集(投稿者)

    不機嫌を隠そうともせず、グレッグ・E・アイヒマンはずかずかと通りを進んでいく。
    彼の不機嫌の理由は後ろから声をかけた。
    「ま、まってください・・・は、早いですよ。」
    「シャーラップ、ついてこれないならついてくるな。フェリス・ノーマン。俺は非常に機嫌が悪い。」
    そういって、彼は更に歩く速度を上げていく・・・・心の中で面倒を押し付けたエセ執事を蛸殴りにしながら。

    アイゼンブルグ旧市街
    アイゼンブルグがこの地に開かれたときより、存在するこの街で最も古い区画である。周りにはビルなどはまったくなく、ただひたすらの上り坂に歴史の傷跡を刻む石造りの建物が並ぶ。そしてその上り坂をひたすら登っていく先にはまるで遺跡のように巨大な城がある。まぁこれは別の話だが。
    ともかく、グレッグの家は今上っている上り坂にあるということだ。

    (ひえ〜〜〜、まだ登るんですかぁ〜〜)
    おもわず、口に出しそうになった言葉を彼女はあわてて飲み込む。
    行ったら最後、多分あの人は今度こそ私を置いていく速度で歩き出す。
    (でも、親切ではあるんでしょうか・・・・・。)
    彼女が必死で追いかけていても、ごくたま角にあの人の姿が消えても、彼女が追いついてくると、なぜかあの人はまだ次の角に行かず、速度を落として歩いている。すぐに、速度を上げるけれども・・・・
    (それに、ひねくれものです・・・・・。)
    そういって、彼女はクスリと笑いそうになる。そこで・・・
    ドンと彼女はそのとき平たい堅いものにぶつかった。
    「はえ?」
    そして、そのまましりもちをつく。
    「何やってるんだ、君は・・・。」
    見ると目の前に、グレッグがいる。彼は転んだ彼女の手を掴み、立ち上がらせる。
    「へ?ま、待っててくれたんですか?」
    「馬鹿をいうな。ついたぞ。」
    「はい?」
    ふと横を見るとそこには石造りの一軒家がたっている。質素なつくりのように見えるが何度も改修などを行っているらしく石材の色がところどころ変わっている。
    「さっさと入れ。入らんのなら別だが。」
    「は、はい・・・・・。」
    彼女は玄関へ歩み、そしてそこをくぐる。
     
    ところは変わって
    「<至高の執事>ゼム・クライン入りますぞ。城主。」
    「入れよ。戦友。」
    そう声が響くと、先ほどグレッグの脳裏で蛸殴りにされた、執事が部屋へと入る。
    そこは執務室と小さなリビングをかねた一室だった。
    その証拠に執務机に一人、その目の前に置かれたソファーにもう一人と男が座っていた。
    「お、お勤めはおわったかい?」
    「ま、多少トラブルはありましたが、ほぼ順調でありましょう。二人目の<資格者>もこれでそろったというわけです。・・・・ご協力感謝いたしますぞ。司教。」
    「構わねぇよ。お前さんがたらには借りが多いしな。」
    そう、軽く笑う男こそ、フェリスに手紙を出し、今は旅行中のはずのデフォン司教そのひとであった。
    「しかし、それにしてもまったく反応はありませんな・・・・もうすこし、派手な反応があるとおもったのですが。」
    「仕方ないだろ。<デウス・エクス・マキナ>はここでもかなり離れてるんだ。この程度が限界だろうて・・・・。」
    デフォンはそういって、自分の持つPDAにうつるグラフを見せる。
    「ほう・・・・一応今までにない反応ですな。すばらしい。」
    「だろ?で、お前はどう思うんだ?」
    彼はそのまま先ほどからまったく言葉を発しない執務机に座る男にいう。
    「では、予定通りなのだな?」
    「予定通り?ふむ・・・・そのようなはずあるわけがないですな。予定よりもはるかにうまくいっております。」
    「ならば、良い・・・・・他の計画も急がせろ。たとえ、予定より早く進んでいても、時間は惜しいのだからな・・・。」

    「ふぅ・・・・・・。」
    彼女はベットに座りながらため息が出た。
    「・・・・どうなってるんだろ。手紙を出したはずの司教が旅に出てて、変わりにあのゼムって執事さんが紹介したグレッグさんにあって・・・そして私はその人の家の部屋にいる。食事はおいしかったけど・・・・・。」
    (もしかして、私騙されてるんじゃないでしょうか・・・・・。でも、確かに教会はしまっていたし)
    彼女はここに来る道程で教会の鍵がしまっていることを確認できるように、寄り道をさせてもらった。
    (一体何が、起こっているんでしょう・・・・・。)
    ふと深く考えて、彼女は気づいた。そして赤面する。
    (そ、そういえば、私今男の人と二人っきり!?・・・・・ど、どうしよう。と、ともかくあの人を玄関で迎えて『お帰りなさい。あなた。ご飯にする?お風呂にする?それとも・・・・わ・た・し?』って何考えてるんですかぁーー!?私はぁーー!?)
    ふるふると顔を左右に振ると、部屋のドアがノックされる。
    「は、はい!?どなたですか!?」
    「どなたもこなたも俺しかいない・・・・風呂ができたぞ。入るなら支度しろ。」
    「は、はい!!いまがんばってしたくします!!」
    ドアの向こうで妙にかしげる様な雰囲気を感じながらも彼女は風呂へとはいる準備をしていた。
    もちろん、何度もこけかけたのはいうまでもない。

    はい、またグレッグ君、台詞があまりありません。っていうか1つです。本当に主人公かぁーーー!?ってツッコミは厳禁です。というかブーです。
    まぁ、オヤジ供は何かをたくらみ、フェリスは妄想大暴走をはじめました。
    これからもがんばって目標週1回の更新をしていきますので、感想とよろしくお願いします。

    追伸:本作品表副題<オヤジ供の談義>
       同裏副題<フェリスのいけない妄想vol.1〜新婚編〜>(マテ)
    今回は以上、失礼しました。

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