Release 0シルフェニアRiverside Hole

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■195 / 3階層) 　 Ｉｒｒｅｇｕｌａｒ　Ｅｎｇａｇｅ　参、インターセプト（Ⅲ）
□投稿者/ カムナビ -(2005/04/25(Mon) 01:59:47)
    何かが飛来する音と巨大な爆音が響き、次々と爆炎が上がる。
    そこは戦場だった。そして街の成れの果てでもあった。
    そんな一角、瓦礫がかつての通りをなしていた石畳へと降り注ぎ山となっている場所・・・そんな一角の虚空にひびが入る。ただし、普通のひびではない。そこには何もない。壁ですらない場所にひびが入る。そしてそのひびは漏れ出す青い光の量とともに大きくなり、限界を迎えた。
    ガラスが割れる音にも似た崩落音と共にひびから螺旋衝角を前方に装備した円柱形の装甲車らしき物体が突っ込んでくる。それは下部に装備された左右８対１６個の全域走行タイヤ・無限軌道複合の軌道輪のブレーキをいっぱいにかけ、突入時のスピードを抑えようとする。だが高度に制御可能な完全独立型の構造をもつその軌道輪でさえこの速度をおとそうとするのは難しい。速度が十分におちないままかつての通りの瓦礫のやまを粉砕しながら目の前の壁へと向かっていく。
    そしてあわや激突と思われた瞬間、スピンするように横に向きを変え、やっとのことでその異形の装甲車はその場に停車した。

    やがて、その装甲車の中から灰白色のプロテクトスーツの上に特徴的な武装に身を包んだ兵士らしい人々がでてくる。その動きは訓練され、統一性のあるものであったが、物事には何事も例外があるものである。
    もちろん、この場合もその例に外れることはなかった。
    「うう・・・気持ち悪いです。」
    「まぁ、初心者はそうなるな。だが気絶も失禁もせずにいたのはさすがは元Ｍ１２ってところか？」
    「・・・今でも一応現役です。それよりこんな感じでいいんですか？」
    「うむ・・・ちょいときつそうだな。」
    「ええ・・胸がちょ・・って何言わせるんですかーー！？セクハラーー！！」
    「君が自発的に発言したことだろう。」
    あきれながら彼は目の前の少女をみる。
    彼女のプロテクトスーツはほかの隊員のものと変わりはない。その上にコート上の服をきている点と手にあるより穂先につけられた槍上の刃が攻撃性をましたようにみえる彼女の錫杖を除けば。
    「でもこの服動きにくいですね・・・。」
    「まぁ量産品だからな、だが今回の作戦には間に合わなかったが特化の特性強化のために専用装甲服の方も準備されている。終わったら、申請しておくといい。次回の作戦には間に合うだろうよ。死ななければな。」
    「・・・さっきの説明でだいたいのことはわかりましたけど。ここ本当に違う世界なんですか？実感ありませんけど。」
    いきなり出た暗い話題を変えようとするように彼女は言った。彼は同意するように頷き
    「ああ、＜イージス＞障壁によって阻まれた構成された位相空間のひとつだ。もっと特異な性質を持つ空間も作れるそうだが、いざとなったときちゃんと行動できない空間では動けまい。それとも何かね？アイゼンブルグの姿かたちを模した街を壊すのは忍びないかね？」
    そう、この異空間に築かれた都市はアイゼンブルグを模した形をしているのだ。
    といっても完全なコピーというわけではないが。（細かい部分までコピーするとこの人工位相空間に設定されている『容量』のようなものが異常なほど上昇してしまい、突入や脱出に手間がかかるようになる、とのことらしい。）
    「いえ、そんなことは・・・。」
    「・・・危険思想者と認定する。」
    「はい？」
    「建物を壊したがるとは不届き千万。ここで叩ききってくれる！！」
    「ちょ、ちょっと・・・。」
    ついに腰のガントレッドに手を出した彼はそのままスキも与えず振りかぶる。とそこで動作がとまる
    「もちろん・・・冗談だが。」
    「な・・・なんて冗談いうんですか！！」
    「だが、緊張はほぐれただろ？」
    「え・・・？」
    確かにこの任務（アルバイト）の内容に多少緊張していたのは確かだ。Ｍ１２時代の任務と内容は変わりないとはいえ、これだけ大規模となると今まで体験してきたことはない。（それだけではないけれども）
    しかし、その緊張が不思議と今は感じられない。先ほどのグレッグの発言が単なる冗談ではなく、部下をリラックスさせるためのものだとしたら・・・。
    「どうした？」
    「え・・・あ、いえ、グレッグさんってお父さんみたいだなって・・・。」
    「面白い意見だな・・・ともかくいくぞ。」
    「は、はい！！」
    早足で歩き出したグレッグを追うように彼女もついていく・・・だがその過程で彼がつぶやいた言葉は彼女の耳にはいることはなかった。
    「お父さん・・・ね。確かに・・・人間から見るとそうなるか。」

    久々の更新です。いやー、リハビリみたいな感じになったかな。このパソコンはキーが軽いので文章打ち込むのは結構早くなってよさげです。
    次の更新は火曜あたりにしたいですね。本格的な戦闘も入れたいですな。では次回。
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