Release 0シルフェニアRiverside Hole

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■385 / 1階層)  蒼天の始まり 第二話
□投稿者/ マーク -(2006/10/11(Wed) 13:49:22)


    謎解き 前編                                     



    私とセリスは1つの扉の前に立っている。
    おそらくこれが地下倉庫の入り口だろう。
    ‘‘ハーネット家の開かずの扉’’
    私とセリスは昔からこの扉をそう呼んでいた。
    理由は簡単、鍵がないのだ。
    家中を探したが見つからず、開けるのを諦め、
    そのまま放置されていた。
    けど、今なら分かる。この鍵は飾りなのだ。
    魔術によって閉じられており、特定の言葉を言わない限り開かない仕掛けになっている。
    鍵穴があり、扉が開かないならば理由は鍵がかかっているからだと考える、
    先入観というやつだ。だから、私が気付けなかったのも仕方がないだろう。うん。
    ただ、10年以上も見ていながら魔力を感知できなかったの結構ショックだったが・・・。
    ちなみにセリスは魔力は感知できたが、部屋の中に何かあるのだろうと思ってたらしい。



    「「うわ〜〜〜」」
    私とセリスの第一声はこれだった。
    かなりの広さの地下室にいくつもの棚が奇妙な形に並んでいる。
    奥から棚が6列並び、それぞれ3、3、12、12、3、3の計36の棚が並んでいた。
    手前3列の棚は剣や鎧、盾などおそらくお父さんが使っていたと思われる品が並び、
    奥の3列の棚には様々な魔法道具や書物が並んでいた。
    こちらは元宮廷魔道士だった、お母さんのものだろう。
    私もこれほどとは思わず、少し驚いたが、気を落ち着けさせる。
    とりあえず、手紙がどこにあるかも知らないし、調べたほうがいいだろう。
    「私は右側を見るからセリスは左側を見て回って」
    この組み合わせにはちゃんと理由が有る。
    はっきり言って私はセリスと違って魔術師ではない。
    ただ、少し魔法が使えるだけの人間だ、魔力の感知もまともにできないし、知識も無い。
    逆にセリスが剣や鎧のことなど分かるはずも無い。
    ゆえにこの組み合わせは当然なのだ。
    セリスもそれは分かっているため、返事をするとそのまま棚のほうへ向かっていった。




    棚を調べながらも、気に入った剣を見つけては手に取り、振ってみる。
    別に私は剣士でもない。
    昔、お父さんに剣を教わって、
    お父さんが死んでからは、たまに思い出しては練習する程度だった、
    今でも、親友のミコトにたまに、教わっている程度である。
    一方的に虐められてる気もするが、その分は鍛えられえてる。


    ―ミヤセ・ミコト

    自分で言うのもなんだが私とセリスの数少ない友人である。
    はっきり言って彼女は謎だ。
    2年前にふらりとこの街に現れ、そのまま住み着いた。
    一人暮らしのはずなのにわざわざ、学校になんて通う変わり者である。
    学校はほとんど、裕福な家の者か、純粋に知識を欲する者だけが来る場所である。
    無論、そういう条件があるわけでなく、ただ単にお金がかかるのだ。
    そして、純粋に学びたい者なら、王都の学校にでも行った方が有意義だから、
    この街の生徒のほとんどは裕福なものとなる。
    かといって、ミコトが裕福かといったらノーだろう。
    ミコトは半年に一回か、二回、この街から軽く1ヶ月は姿を消す。
    本人は仕事だといっているが、それならばなぜ学校になんて来てるのかが矛盾している。
    また、剣の腕も立ち、
    以前、街に現れた吸血鬼をいとも容易く打ち倒したほどである。
    まあ、そんなに気にしているわけでもでもないが、
    「お姉〜ちゃ〜ん?」
    っていけない、向こうはもう終わったみたいだし早く行かなきゃ!



    部屋の中央の少し開けたスペースでセリスは待っていた。のはいいんだけど。
    「セリス、これは何?」
    セリスの足元にはどうやって運んだのか分からないほどの魔法道具がおいてあった。
    「えっ、魔法道具だけど?」
    「そういうことを聞いてるんじゃなくてこんなに持ってきてどうするつもり!!」
    「だって、お父さんは好きに持って行っていいって・・・」
    「こんなにもっていけるはず無いでしょ!!戻してきなさい!!!」
    「うぅ、けど」
    「けど、じゃ無いわよ、ちゃんと元の場所に戻してきて」
    「はぁ〜い」
    セリスはしぶしぶといった感じで道具を戻しに行った。
    手当たり次第に持ってきたのだろう。それなら早いはずである。


    「で、セリス、手紙はあったの?」
    戻し終えてきたセリスに尋ねる。
    見た限り、こちらには無かったから、あるのは向こうのはずだ。
    「あっ」
    「セ〜リ〜ス。あっ、って何?」
    「あっ、あはははは。たっ、たぶん無かったと思うんだけど」
    おそらく、魔法道具に眼を奪われて忘れてたのだろう。
    「ふう、じゃあ、もう一回見て回りましょ。ただし今度はしっかりね。」
    「うん!!」






    「無い、わね」
    「無い、ね」
    2,3度も見て回ったが、手紙なんてどこにも無かった。
    他にも、気になることはあったけど・・・。
    「う〜ん」
    「お父さん忘れたのかな?」
    「いくらなんでもそれはないと思うけど・・・ってあら?」
    良く見ると床の中央に何か文字が書かれている。
    え〜っと、なになに、


    汝が求めしものは、
    四方を天使に囲まれし、かつての長たる堕天使の背中にて眠る。
    これ、解けぬ者に旅立つ資格なしと思え。


    「なにこれ?」
    「暗号・・・かな?」
    「とりあえず調べるしかないわね」
    でも、天使と堕天使って何のことだろう?
    「天使の像とかなら向こうにあったと思うけど?」
    う〜ん、そんな簡単なものではないと思うけど。
    まあ、行って見るしかないか。


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