Release 0シルフェニアRiverside Hole

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■440 / 7階層)  フェイス2ロキ3
□投稿者/ パース -(2006/10/15(Sun) 23:03:57)
    「ぎぃゃやぁぁぁぁぁぁぁぁああああああああああああああああ――――――――あ?」


    影は、自分の叫び声で目を覚ました。


    「えと・・・・・・・・・・・・・あれ?」


    自分の体をあちこち触って調べてみる、外傷はどこにもない、ついでにそれほど疲れてもいない。


    「あれ・・・・・・・・・・・・?」


    そこは自分の部屋、日が暮れかけていることから夕方であると理解する。


    (えーと、私は、何やってたんだっけ・・・・・・・・?)


    自分は確か、今日は休みだったから、買い物に行って、その帰り、家の前で、


    「・・・・・・・あ!」


    そこで変な剣を拾ったのだ、その剣は人の言葉を話せて、


    「あれ?「無銘刀」はどこにいった?」


    部屋のどこを見ても無銘刀が見あたらない、体の周りを見回してみる。


    「あれ?あれ?」


    体が全然痛くない、自分は確かヴァルキリーと戦って、ぎりぎりで負けて、その時体中が死ぬほど痛かったハズだ


    「あれぇ・・・・・・・・・?」


    影美があれあれ唸っていると、頭の中で声がした。


    『なんじゃ?やっと目を覚ましたのか』
    「無銘刀!?どこにいるの?」
    『お主の体の中じゃ』
    「はぇ!!??」


    思わずゴソゴソと服の中を調べ回す。


    「ど、どこよ!?変態!痴漢!」
    『いや、あのな、体の中ってそういう意味じゃなくてな』
    「いやーきゃー!どこよー!まさか下の方!!?」
    『あの、じゃからな・・・・・・』
    「いやー!きゃー!お嫁に行けなくなるー!」
    『・・・・・・・・・・』










    数分後。


    『落ち着いたか?この早とちり娘』
    「す、すいません・・・・・・・・・・」


    しばらくして、ようやく落ち着いた影美に無銘刀が剣をイメージしてみろと言うと、剣は影美の体の中から出てきた。


    『わしらみたいな神具っちゅーのは、使役者が望んだときいつでも取り出せるようにその使役者の体内に存在しているのじゃ』
    「体内に存在って、どうやって?」
    『むーん・・・・・・・そもそも神具というのは、古き神々が作り上げた道具で、今あるこの世界の物質とは、根源からして違う存在なのじゃ』
    「うーん・・・・・・・古き神々とか言われてもよく分かんないんですけど・・・・・?」
    『そうじゃのぅ、よし、今回の戦いに関することを古き神々のことも含めて、わしの知る範囲でなるだけ教えてやるとしよう』
    「うん、お願いしまーす」










    『遥か遠き昔、世界は九つに別れていて、その中心を大きな大樹が貫いておった』


    「九つも?ずいぶん多いね」
    『む、まぁ多いのは認めるが感想はとりあえず話を最後まで聞いてからにしてくれ』
    「はーい」


    『その九つの世界というのは神族の世界や精霊の世界、巨人族の世界や死霊の世界などがあって、互いに様々な影響を与えあっていた』
    「ふむふむ」
    『ま、この辺は概略じゃから、覚えて無くてもいいんじゃがな』
    「なーんだ」


    『ともかく、その世界はいくつにも別れていた、そしてそのなかのひとつ、アース神族が治めるアースガルズという世界には、オーディンという名の最高神がいてな、オーディンは知識の神、魔術の神というほど様々なことを知っておった』
    「ふーん、オーディンね」
    『そして、オーディンは予言の神でもあってな、その力によってオーディンは様々なことを見知り、そしてその世界に関するあることをも知っておった』
    「ある事って?」
    『世界の終末、全ての終焉、神々の黄昏、「ラグナロク」の到来をオーディンは知っておったのじゃ』
    「終末って・・・・・・・そんな」
    『オーディンはその未来を知っていたからこそ様々な手を打ちその未来を事前に回避しようとしたが、しかし、結局その願いはかなわなんだ』
    「・・・・・・・・・・その、終末ってのは何で起こってしまったの?」
    『その前に、オーディンには一人の義兄弟がおってな、そっちの方を先に説明するとしようか』
    「なんで!?」


    『オーディンの義理の弟、そいつはとても頭のキレて、口が達者で、悪戯好きな黒髪の青年神じゃった』
    「ふーん」
    『そいつの名はロキ、そしてこいつがラグナロクを呼び起こした張本人じゃ』
    「!?」
    『ロキが悪戯好きというのは今言ったが、悪戯が過ぎてしまっての、ロキはオーディンの最愛の息子、バルドルを殺してしまうのじゃ』
    「・・・・・・・・・」
    『それに怒った神々はロキを断罪するため、ロキを年中蛇の毒液が滴り落ちる岩に縛り付けたのじゃ』
    「うわー・・・・・・」
    『そして、それに怒ったロキの娘、息子達がロキを解放するために死霊を引き連れてアースガルズに攻め入ったのじゃ、そしてロキは解放され、その戦いに巨人族が介入し、神族や巨人族、死霊達が殺し合い、世界に終末が訪れたのじゃ』
    「・・・・・・・・・・みんな死んじゃったの?」
    『そうじゃ、巨人族の中に火の神スルトというがおって、そいつが死んだとき世界中が炎に包まれたのじゃ、そしてほとんどの神々、巨人が死んだ』
    「・・・・・・・・・」










    「それで、古き神々のことはわかったけど、この戦いはどうなるの?」
    『そうじゃな、その説明のためには今度はフレイヤという神のことを説明せねばならんな』
    「フレイヤ、ね」
    『そいつは、愛と美の女神でありながら、魂の、特に戦いで死んだ戦士達の魂を好む女神じゃった』
    「魂を?」
    『そうじゃ、戦いで死んだ戦士のうち、勇敢で、強く、賢い者の魂を、オーディンはラグナロクを防ぐ戦力とするために、フレイヤは自らの満足のために分け合い、自分の所有物としていた』
    「魂、ね」


    それは、ヴァルキリーが言っていたこととよく似ているのではないだろうか?


    『その通りじゃ、ヴァルキリー達というのはフレイヤの直属の部下で、ヴァルキリー達はフレイヤのために魂を運ぶ存在じゃ』
    「ちょっと待った!!私今思ったことを口に出してないんですけど!?」
    『物わかりの悪い奴じゃのぅ・・・・・・・・わしはお主の体の中にあるんじゃぞ?おぬしが思ったこと、考えたことはわしにもわかる』
    「うそぉ!?内緒話禁止ですか!??」
    『諦めんか、わしはそういう物じゃ』
    「いやぁー!」


    小休止。










    小休止終了。


    『落ち着いたかのぅ?』
    「なんとかー・・・・・・・」
    『ともかく、フレイヤはヴァルキリー達を使って今でも魂集めをしておるのじゃ』
    「ひとつ質問良いですかー・・・・・・・・?」
    『なんじゃ?』
    「神様達ってたしかみんな死んじゃったんじゃないんですかー・・・・・・・・・・」
    『ほとんどが、といったじゃろ、わずかに生き残った者達はいたのじゃ、オーディン、ロキを初めとするおもだった神々はみんな死んでしまったがのぅ』
    「じゃあ、フレイヤって人は・・・・・・・?」
    『むーん、おそらく生き残ったのじゃろうなー・・・・・・・・フレイヤの持つ神具『ブリーシンガメン』は炎に対する抵抗が凄まじい神具じゃしなー』


    「で?そのフレイヤと、この戦いがどう関係してくるわけー?」
    『問題なのは、そこじゃよ、あ奴はラグナロクが終わり、世界のほとんどが消滅した後も人間世界に降り、そこで戦士の魂集めを、神々の武器を人間に与え互いに殺し合わせるという方法で続けておるのじゃ』
    「そんな・・・・・・・・・・」


    それじゃ、つまり自分たちは・・・・・・・・・


    「そいつの、わけのわからない魂集めの犠牲にされてるっていうの?!」
    『そうなるのぅ』
    「そんな、ふざけないでよ・・・・・・・・私はそんなことに利用されるつもりはないわよ!!」
    『じゃろうな、じゃがあ奴らは、フレイヤ自身も相当強いが、ヴァルキリー達も様々な戦いで数をかなり減らしたはずじゃが、相当強い精鋭のみとなったはずじゃぞ?それでもやるか?』
    「もちろんよ!」
    『よし、では次の話じゃ、この戦いで最も重要なモノ、魂についてのことじゃ』
    「ええ」
    『魂については・・・・・・・・・・しまった』
    「え?」


    無銘刀が何かを言おうとした瞬間、


    『周囲への警戒を怠っていたか・・・・・・!!』
    「!?」


    瞬間、影美の周辺が、異空間へと変わっていった。

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